日誌

令和3年度第5次航海 第24日

2021年11月9日 09時41分
2年生


11月8日(月)正午位置 N34°-21.1′ E133°-47.3′

 今日の航路学習においても珍事が起きました。まずは来島海峡ですが、三等航海士の説明を聞きながら潮流信号所や灯台などを確認し、来島海峡大橋の下を通過しかけた時にふと橋を見上げるとオレンジの旗を振った人がこちらに手を振っています。誰かはわかりませんでしたが、皆で手を振り返りました。するとドローンが若鳥丸の後ろから飛んできて、若鳥丸の周囲をしばらくの間飛行していました。練習船の撮影が目的なのでしょうか、とても注目されている気分になりました。次に、備讃瀬戸南航路で瀬戸大橋を通過する時に、珍しく電車が走っているのが見えたのですが、真下を通過しているときにさらに電車が通過しました。私自身、何度も瀬戸大橋を若鳥丸で通過しましたが、こんな事は初めてです。三等航海士には「やっぱり君たちは持ってますね」と言われていました。18時45分には関西国際空港の沖合で錨泊をし、太平洋の時化の回復を待つことになりました。明日は関空沖で1日待機して、明後日の朝に高知に入港します。

       来島マーチスへの通報

      航海士の説明を必死にメモ

       橋の上に誰かいます!

       備讃マーチスへの通報

        備讃瀬戸東航路学習

      大型船が輻輳しています

令和3年度第5次航海 第23日

2021年11月8日 11時41分
2年生


11月7日(日)正午位置 N33°-44.9′ E131°-47.0′

 北海道から下関まで来ると気温差も感じますが、日の出と日の入りの時刻がかなり違うことを実感します。釧路では5時30分くらいには明るくなっていましたが、下関では6時30分くらいからようやく明るくなります。釧路は東経144度で下関は東経131度なので、経度の差が約13度あるため約1時間のずれになります。そう考えると、日本の標準時の明石に比較的近い境港は、自然な時間帯の日の出と日の入りなのだと感じます。こんなことも船で日本一周をしなければ体感できない貴重なことだと思います。今日は課題が終わった生徒を中心に筋力トレーニングをしました。途中から、プロフェッショナルの通信長から直接指導をしていただいた生徒もいました。船の中ではなるべく大きな音を立てないように指導しているので、どうしてもストレスが溜まったり運動不足になります。デッキに出て体を動かしたり大声を出したりすることで、だいぶストレスが発散できたのではないでしょうか。


       関門海峡操舵実習

            懸垂

          腕立て伏せ

      通信長による専門的指導

      デッキすりの補習?

         航海計器の課題

令和3年度第5次航海 第22日

2021年11月8日 11時35分
2年生


11月6日(土)正午位置 SAKAI-KO

 今日は給水と下船する生徒がいるため、境港に入港しました。これまでは、航海実習の終わりに境港に入港すると、何とも言えない懐かしい気持ちが湧いてくるのですが、今日はとても落ち着いた気持ちで境港に入港しました。やはり、まだ1週間の航海が残っているという緊張感からでしょうか。生徒と話をすると、生徒も同じような気持ちのようです。1週間後には大きな達成感が伴う境港入港となるように、今後の実習を気合を入れてこなしていってもらいたいです。午後からは漁業技術検定の実技試験を実施しました。試験をしてみて感じたことは、普段の実習よりも、乗船実習中に身に付けたことの方が定着しやすいということです。ほとんどの生徒が満点近い出来でした。生徒の中には、自ら補習を何度も申し出て準備し、合格した人もいます。生徒の成長を実感することの多い今日この頃です。


      3週間ぶりの境港入港

      みな真剣に取組んでいます

       目指せ全員合格!!

       ハーフヒッチの試験

        いかり結びの試験

       アイスプライスの試験

令和3年第5次航海 第21日

2021年11月8日 11時26分
2年生


11月5日(金)正午位置 N37°-26.2′ E136°-45.4′

 日本海は良い凪です。船の揺れもほとんど気にならないレベルです。朝の体操をしていると左舷側に大きな島が見えていました。それは1学期の国内長期航海で寄港した佐渡島でした。思えば2回の長期航海で国内の色々な所へ行き、色々な経験をしてきました。外出自粛が続いていたコロナ禍の中、このような多くの経験を積むことができたことに心から感謝したいと思います。昨年度の航海実習は無寄港の短期航海を行うのが精一杯だったのに比べると、比較にならない程の充実ぶりだと感じます。船内では昨日に引き続き、スプライス実習と結索実習を実施しました。どの生徒も一生懸命練習していたので全員合格も夢ではないかもしれません。また、夕食のステーキは柔らかくて旨みがあって本当に美味しかったです。美味しい肉を仕入れてくださった司厨部の船員さんには本当に感謝したいです。


          朝の体操

         機関当直引継

        スプライス実習

       シングルシードベンド

         エイトノット

      夕食のおいしいステーキ

令和3度第5次航海 第20日

2021年11月5日 12時16分
2年生


11月4日(木)正午位置 N41°-05.3′ E140°-07.0′

 今朝は津軽海峡の入口付近を若鳥丸は航行していました。太平洋の時化の影響で、後方から大きなうねりが来ていましたが、津軽海峡を西へ進むにつれて穏やかな海況に変わっていきました。途中に巨大なコンテナ船とすれ違いました。行先はメキシコになっていましたが、積み荷は何でしょうか。午前中はスプライス実習を生徒食堂で行いましたが、得意な生徒と苦手な生徒がはっきりしており、苦手な生徒は補習をして試験に備える必要がありそうです。午後は通路で結索実習をしましたが、実習でも繰り返しやっているので、10種類の結索を比較的スムーズに行うことが出来ました。結索は船舶を運用するうえで欠かせない基本的な技術なので、小型船舶の免許取得や海上就職の際に役立つはずです。せっかく覚えても使わなければすぐに忘れてしまうので、残りの航海で繰り返し行って、自分の物にしてもらいたいです。



          朝の体操

         機関当直引継

          巨大コンテナ船

        スプライス実習

           結索実習

          もやい結び

令和3年度第5次航海 第19日

2021年11月4日 15時18分
2年生


11月3日(木)正午位置 KUSHIRO-KO

 5日間も滞在した釧路をいよいよ出港します。予定通りに太平洋を南下して東京湾に入るコースにするか、猛烈な時化を避けるために日本海側から高知に向かって東京湾を諦めるか、ぎりぎりまで検討した結果、日本海を通ることになりました。釧路に向かう途中に猛烈な時化を経験した生徒たちは「あんな揺れは二度とごめんです」と言っていたのでホッとしたことでしょう。昨日の夜から北海道は大雨警報が出るなどの荒れた天気で、釧路を出港する時は強い雨が降っており、ずぶ濡れになりながらフェンダー回収作業を行いました。
 出港後も波が高く、3mくらいの波が船の後方からやってきます。半分程の生徒が軽い船酔いとなっていました。しかし私たちは今年になって約50日間も船に乗っています。船酔いになりながらも当直や食事当番、学習をこなすことが出来るようになりました。しかし残念だったことが一つありました。それは夕食がご馳走だったのに時化で食欲があまり出なかったことです。カツオのたたき、ホタテ貝、サーモンの刺身がメニューだったのですが、普段あれほど「刺身が食べたい」と連呼している生徒でさえ刺身を残してしまいました。
 森進一の歌で有名なえりも岬(北海道の中央で南側に突き出た先端部)を通過すると、船の揺れは小さくなりました。明日からはロープワークやスプライスなど、漁業技術検定実技試験に向けた実習をします。東京湾で航路学習が出来なくなったぶん、比較的穏やかな日本海で少しでも多くの知識や技術を習得できるように、実習に励んでもらいたいと思います。体調不良の生徒は無く、みな元気です。


             釧路出港


         レーダー実習


       夕食はサーモンの刺身

令和3年度第5次航海 第18日

2021年11月4日 14時42分
2年生


11月2日(火)正午位置 KUSHIRO-KO

 今日の天気予報は午前中が曇りで午後からは雨という、湖の観光には厳しい状況でした。貸切バスの運転手さんからも「今日は展望台から何も見えないかもしれませんが、予定通りでいいですか?」と確認されました。私は「もし3時間もかけて移動して湖が見えなかったらどうしよう」と不安になりました。しかし、運のいいことに屈斜路湖に近づくにつれて雨が止み、展望台から絶景を見ることが出来ました。展望台から湖を見下ろしたとき、生徒たちは冷静でしたが、私は嬉しさのあまり雄叫びをあげていました。この絶景を見せたくて見学コースを計画したので、嬉しさが溢れました。湖ばかりで物足りないと感じる生徒もいたようですが、北海道でしか経験できない自然の素晴らしさを感じることができました。道中は牛や馬などが牧場で放牧されており、酪農が盛んな北海道を肌で感じることが出来ました。明日は釧路出港で時化の予報ですが、気合いで乗り越えます!


         アイヌコタン


      阿寒湖遊覧モーターボート


         背景は屈斜路湖


         北海道といえばヒグマ


         ハイランド小清水


        摩周湖展望台で軽食

令和3年度第5次航海 第17日

2021年11月2日 09時54分
2年生


11月1日(月)正午位置 KUSHIRO-KO

 今日の朝も放射冷却で相当気温が下がりました。温度計が約2℃を示す中で、朝の体操とランニングを行いました。航海実習も半分以上が終わり、5分前行動が当たり前になっている時期なのですが、今朝の体操では3分前にやっと全員が揃うといった状況で物足りません。本来であればオーストラリアに着いて寄港地活動をしているタイミングですが、国内ということもあり寄港中は気が緩んでしまう部分があるのだと思います。
 午前中は船長講義と機関長講義があり、船長講義は東京湾の浦賀水道航路、中ノ瀬航路に関する内容でした。航路学習はとても重要な学習事項ですが、東京湾で錨泊して一泊する予定なので海から見る東京の夜景がとても気になります。生徒の中には「スカイツリーは海から見えますか?」と聞いてきた生徒もいるので、大都会を海から眺めるとどんな風に見えるのかとても楽しみです。私は機関長講義に参加したのですが、理解するのが難しい燃料噴射弁やクランク軸について実物を見ながらわかりやすく説明していただきました。船の機関の学習は、教科書だけで理解するのはとても難しいのですが、実物を触ったり動かしたりすることで理解が一気に深まります。境港では船の機関の学習をした人は「金の卵」だと、漁業会社の方に言われたことがあります。若鳥丸のエンジンで大型船のエンジンの基礎をしっかりと身に付け、船で働く機関士や機関員だけではなく、陸上で船の安全運航をサポートする機関整備士になれるような機関整備に関する知識と技術を身に付けてほしいと思います。
 講義が終わると生徒たちは上陸して和商市場へ行き、「勝手丼」と呼ばれるネタを自分で選びながらつくる海鮮丼を食べていました。生徒たちは「サーモンやエビが美味しかった!」と満足そうにしていました。明日は貸切バスで摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖を見学に行きます。充実した研修になることを願っています。



       燃料噴射弁の構造の確認

         噴射圧の調整作業

          クランク軸の学習

令和3年度第5次航海 第16日

2021年11月1日 10時11分
2年生


10月31日(日)正午位置 KUSHIRO-KO

 やっぱり北海道は寒いです。岸壁で朝の体操をしていた時は、温度計が3.7℃を示していました。特に昨日は天気が良かったので放射冷却の影響なのか、かなりの冷え込みです。生徒たちは寒い寒いと言いながら、厚着をせずに岸壁に降りたことを後悔している様子でした。今日は1日班別自由行動の日としたため、かなり遠くまで足をのばしたグループもありました。私は日本一の広さを誇る釧路湿原に生徒と行ったのですが、湿原の雄大さに驚きました。他には釧路動物園や釧路水族館に行った生徒もいましたが、やはり一番人気の場所は釧路のイオンモールです。船に帰って来た生徒たちの顔を見ると、とても明るい表情をしており、しっかりとリフレッシュができたようです。一緒に行動した生徒が「船内は狭いので、広いところを歩いているだけでもストレス解消になります」と言っていましたが、寄港地の自由行動は格別です。明日は講義をしっかり受けてください。


         岸壁での体操

          ランニング

        手すりの消毒作業

          釧路湿原

              釧路動物園

          釧路水族館

令和3年度第5次航海 第15日

2021年10月31日 10時25分
2年生


10月30日(土)正午位置 KUSHIRO-KO

 釧路への入港作業をしている途中、見慣れた船が見えてきました。なんと共和水産の巻網船団です。3船団すべてが釧路でイワシを主体に漁をしているようです。若鳥丸が岸壁に着岸すると、早速共和水産で働く本校の卒業生が若鳥丸を訪ねて来てくれました。訪ねて来てくれた卒業生は7名で、そのうち3名は私が担任をした卒業生です。まさか境港から遠く離れた釧路で、たくさんの教え子たちに会えるなんて本当に運がいいです。また、我が国の水産業に貢献している教え子たちに会えて、航海実習のモチベーションが上がりました。一緒に長期航海を経験した生徒が海の世界で活躍してくれる、これほど嬉しいことはありません。卒業生たちは実習中の後輩たちに、アイスやお菓子の差入れをしてくれました。今日は本当に嬉しかったです、ありがとう!


       フェンダー作業

      今日は船が揺れなくてうれしい

      隣には共和水産の海幸丸が!

      共和水産の本校の卒業生

         北海道の三大市場「和商市場」

       釧路のシンボル花時計