日誌

海洋科2年国内長期航海 14日目

2021年6月27日 09時16分
2年生


 6月25日(金)正午位置N 37°-22.8′ E 141°-25.4′

 今朝、目が覚めて電子海図で船の位置を確認すると、もう千葉県の東側に来ていました。私自身、若鳥丸で関東地方を
航行するのは初めてなので、とても新鮮に感じました。午前中は甲板作業のデッキ擦りを行いましたが、うねりのために
バランスをとりながらデッキをたわしで擦る必要がありました。作業が終わって船橋へ行くと、「珍しいものが見えてい
ますよ」と三等航海士が教えてくれました。教わった方位を双眼鏡で覗いてみると、海の中に設置された大型の風力発電
用の風車が見えました。茨城沖の洋上風力発電だと思います。若鳥丸のレーダーにもきちんと表示され、風車ごとにつけ
られた名前が出てきます。船が誤って風車に衝突しないように、AISが風車に設置されているものと思われます。そう
いえば、福島第一原発も近くにあるはずです。東日本大震災からちょうど10年が経ちますので、明日は宮古で充実した
防災学習ができることを期待しています。

 
      甲板作業(デッキ擦り)                休憩時間の生徒食堂
 
       食事当番夕食準備                      操舵実習          
 
        生徒食堂掃除                       船内読書

海洋科2年国内長期航海 13日目

2021年6月25日 11時50分
2年生


 6月24日(木)正午位置 N 34°-04.4′ E 137°-48.0′

 昨日の深夜頃に紀伊水道を抜けて、再び太平洋に出てきました。夜間に紀伊水道で船橋当直をしていた生徒は、
交通量の多い中で操舵を行い、他船の灯火の見え方によってどの方向から接近して来るかなどを考える勉強になっ
たようです。今朝は風も弱くとても良い天気ですが、やはり太平洋です。南から大きなうねりが来るため、船はゆ
っくり大きく揺れていました。朝の体操やデッキウォッシュは、バランスをとりながら行う必要がありました。当
然船酔いになる生徒もおり、昼食の時点で4名が船酔いになっていました。また今日は集合時間に遅刻する生徒が
数名いたので残念でした。瀬戸内海の全く揺れない環境から太平洋の独特の揺れとなり、戸惑っている部分はある
とは思いますが、この航海も2週間経とうとしています。寄港地で上陸している時とは気持ちを切り替えて、船内
の時間厳守を徹底できるようになって欲しいです。

 
           体操                       デッキウォッシュ
 
        漁業の課題学習                    トイレ掃除
 
          廊下掃除                        食事当番

海洋科2年国内長期航海 12日目

2021年6月24日 11時00分
2年生


 6月23日(水)正午位置 N 34°-18.7′ E 133°-42.5′

 今日は尾道を午前9時に出港し、凪の瀬戸内海を東に進みました。12時半に瀬戸大橋を潜って備讃瀬戸南航路
に入りました。コンパスデッキで三等航海士から周囲に見えている船や交通ルールについて解説をしていただきま
した。私が2年前に備讃瀬戸を若鳥丸で通った時は、宇高西と宇高東航路をフェリーが行き来しており、横切りの
関係になることがけっこうありましたが、今日はフェリーを見ることはありませんでした。宇野港と高松港を結ぶ
フェリーがすべて撤退してしまったことを思い出し、寂しい気持ちになりました。17時に明石海峡航路学習を行
いましたが、底引網漁船が若鳥丸の前方を不規則な動きをして漁をしていました。船橋にいた生徒たちも見張りの
重要性と、状況判断の重要性がよく理解できたと思います。今日も天候に恵まれ、とても充実した学習を行うこと
が出来ました。

 
       学習時間のようす                 イマーションスーツの説明
 
       備讃瀬戸航路学習                  トレーニングのようす     
 
     海図で安全水域標識を確認                  明石海峡航路学習

海洋科2年国内長期航海 11日目

2021年6月23日 09時56分
2年生


 6月22日(火)正午位置 ONOMICHI ITOZAKI KO

 今日の午前中は、船長コースが船長講義、海洋技術コースは機関長講義でした。この航海で30日の乗船履歴をつ
けるためには訓練記録簿に沿った講義や実習が必要となるため、停泊時を利用してそれぞれ専門科目に関する学習を
深めました。講義後は上陸をして、港町である尾道の雰囲気を肌で感じることが出来ました。生徒たちはイカやアジ
などの刺身を買って船内で食べていたのが印象的でした。また、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、コロナ対策を
怠ることはできません。靴の消毒や乗船時のデッキでの手洗い、検温についてもしっかりとおこない、「鳥取県に絶
対コロナを持ち帰らない」という決意のもと慎重に寄港地研修を行いました。
 明日からは岩手県の宮古に向けて出港し、当直実習や航路学習が再び始まります。尾道でリフレッシュして新たな
気持ちで航海実習に臨んでもらいたいと思います。

 
          機関長講義                        船長講義          
 
        乗下船時は靴消毒                   班別寄港地研修中
 
     まさに船のまち尾道です                  帰船時にはすぐに手洗い

海洋科2年国内長期航海 10日目

2021年6月22日 09時40分
2年生


 6月21日(月)正午位置 N 34°-19.4′ E 133°-16.7′

 今日で航海10日目となり、3分の1が終わったことになります。これまでを振り返ると、航路学習や甲板作業など非常に
中身の濃い実習ができたと感じます。これからの課題は当直や掃除など、船内で自分に任せられた仕事を丁寧かつ真剣にでき
るようになることだと思います。もっと言えば、嫌なことや面倒くさいことから逃げたい気持ちとどう向き合い、自分をコン
トロールできるかです。この乗船実習で、生徒たちは今まで出来なかったことに挑戦し、やる気になれば出来るという自信を
持ってもらいたいです。
 本日の来島海峡航路学習や尾道入港のフェンダー作業など、航海のはじめに比べると真面目に取組めるようになってきました。
船酔いに慣れてきたことも大きいと思います。体調管理に気を付けて、さらに充実した航海にしていきたいです。

 
     来島海峡の浮標の種類を記録                 船橋で航路学習       
 
     船橋当直が楽しいです!                ランニングマシーンで体力向上
 
       食事当番の昼食準備                   尾道水道に着岸中

海洋科2年国内長期航海 9日目

2021年6月21日 09時53分
2年生


6月20日(日)正午位置 N 33°-18.0′ E 132°-01.0′

 今朝、体操のためにデッキに出ると左舷側に陸地が見えました。海図で調べると九州の宮崎県でした。一昨年、
沖縄に航海実習で行った時と比較すると、奄美大島は九州に近いことが実感できました。今日航行した海域は、
九州と四国に挟まれているので、うねりがなく穏やかで、快適な航海となりました。船酔いをしている生徒は1人
もいません。また、午前中に甲板作業でデッキ擦りを行いましたが、生徒たちは一生懸命力を入れてデッキの汚れ
を落とす作業をしてくれました。今日は涼しい気候だったため、集中して作業に取り組むことが出来たのだと思い
ます。明日はいよいよ来島海峡航路学習と尾道入港です。日本有数の海の難所と言われる来島海峡で、船長類型
は学校で習った内容の理解を深める機会にしてほしいと思います。また、昨日も集合時間への遅刻があったので、
時間厳守が徹底できるように気を引き締めてもらいたいです。

 
          朝の体操                     デッキウォッシュ
 
     ワッチ交代します(船橋)               ワッチ交代します(機関部)
 
      甲板をピカピカに磨きます               全力で頑張りました                

海洋科2年国内長期航海 8日目

2021年6月20日 09時20分
2年生


 6月19日(土)正午位置 N 28°-49.0′ E 129°-55.0′

 奄美大島への寄港は、あっという間に終わり、午前9時に名瀬港を出港しました。「まだ奄美にいたいのに」と
少し寂しそうにしている生徒もいました。ここ数日の太平洋は時化が多かったため、「太平洋の揺れはこりごりだ」
とすっかりびびっている生徒もいましたが、波は穏やかで比較的大きなうねりを伴う程度でした。奄美大島に着く
まで、船酔いでほとんど何もできなかった生徒が、今日は笑顔できびきびと食事当番をしているのを見てとても
うれしくなりました。航海実習も一週間以上が経ち、食事を残す生徒が増えてきました。「お母さんの味噌汁が食べ
たいよ~」と言う声も聞こえてきました。ミーティングでは、「健康管理のためにもカップラーメンを食べるのでは
なく、司厨部の船員さんが一生懸命作った食事をしっかり食べよう」という話をしました。

 
       奄美大島を出港                       機関当直           


 
         船橋当直                     ヘルメットの除菌作業                        
 
         回鍋肉の盛り付け                    夕食の様子

海洋科2年国内長期航海 7日目

2021年6月19日 10時59分
2年生


6月18日(金)正午位置 NAZE-KO

 今日は生徒たちが楽しみにしていた奄美寄港地研修です。天気予報は午後から雨になっていたので、午後に予定して
いるカヌー実習は無理なのではないかととても心配していました。まず、高知山展望台で大島海峡のマグロ養殖場の
生簀などを見ることができました。雨は10時頃から降り始め、「半潜水船 せと」に乗っていたときには本降りに変わ
っていました。しかし、昼過ぎに雨はやみ、嬉しいことにカヌー実習が出来ることになりました。昼食は奄美大島の郷土
料理を食べ、マングローブパークへ移動しました。カヌー実習は、マングローブが生い茂る川で行いましたが、雄大な
自然を背景に漕ぐカヌーはとても爽快で感動しました。生徒たちも大はしゃぎで「楽しい~!」を連呼していました。
奄美大島は「また来たい」と思えるとても魅力的な場所でした。このような充実した研修をお手伝いいただいた旅行
代理店の方やバスガイドさんに本当に感謝です。ありがとうございました。

 
       高知山展望台                       半潜水船に乗船       
 
      船底の窓から魚を観察                  昼食は郷土料理の鶏飯      
 
       カヌー実習最高です!                マングローブのトンネルにて

海洋科2年国内長期航海 6日目

2021年6月18日 19時04分
2年生


 6月17日(木)正午位置 N 28°-41.9′ E 129°-51.7′

 今日はジギング実習の二日目です。昨日カツオが釣れたと報告しましたが、図鑑でよく調べてみるとカツオでは
なくスマという魚で、カツオよりも脂がのって美味しい魚のようです。今日も昨日に引き続き、スマがよく釣れま
した。本日の釣果はスマ40~45cm14匹、バラハタ40~50cm2匹、オオモンハタ40cm1匹でした。
生徒たちは一生懸命にメタルジグにアクションをつけて魚を釣り上げ、とても達成感を得ているようすでした。釣
った魚は血抜きをしてエラと内臓を取り除いて冷凍にしています。ぜひ、幻の魚とも言われているスマを家に持ち
帰って味わってもらいたいと思います。

 
        昨日と同じスマ                  あたりが頻繁にあります
 
       カンパチが釣りたいのに                 高級魚のアザハタ
 
      遠近法で大きく見えます                   本日の大物賞

海洋科2年国内長期航海 5日目

2021年6月17日 15時35分
2年生


 6月16日(水)正午位置 N 28°-33.0′ E 129°-51.7′

 今日はこの航海のメインイベントの一つ奄美ジギング実習の日でした。生徒にシイラやカンパチを釣らせて漁業の
魅力を体験してほしいという思いから、従来の餌を使った釣りからメタルジグというルアーを使ったジギングに変更
しました。しかし、強風のため海況は悪く波高は2m近くありました。今日は生徒13名でジギング実習を開始しま
したが、船の揺れが大きい為どんどんダウンして最後は7人の釣りになってしまいました。開始直後から40cm程度
のカツオが釣れ始め、生徒たちは一生懸命ルアーにアクションをつけていました。波が高くなったことに加え、強い雨
が降り出したため予定よりも早く終了しましたが、40~45cmのカツオ6匹、50cmのフエフキダイ1匹と、
75cmの巨大なフグが今日の釣果でした。カツオは刺身にして夕食で食べましたが、弾力があって生徒から好評
でした。明日の午前中もジギング実習を行う予定です。
 
         釣れて良かった                  しゃくりが大事
 

   大きなフレフキダイが釣れました             よく太ったカツオが釣れました
    「釣りが好きになりました」