日誌

令和3年度第5次航海 第14日

2021年10月31日 10時18分
2年生


10月29日(金)正午位置 N40°-39.1′ E142°-45.4′

 今日はこの航海中で最大の時化に見舞われました。なんと波高は5mになる時もあり、船内を激しく揺さぶられているような感じです。船体が何度も持ち上げられて、海面と船底が激しくぶつかる大きな音がします。「えりも岬に着くまでの辛抱だ!」と励ましますが、船橋当直や食事当番は船酔いでダウンしました。しかし、ダウンしてからでも吐きに行って少し楽になってから仕事に戻ることができるのが、今までの航海で培った経験値でしょうか。激しい揺れの中でも必死に対応しようとしている姿を頼もしく感じました。明日はいよいよ釧路入港です。船酔いに苦しんだぶん、久しぶりの上陸でしっかりとリフレッシュできるのではないでしょうか。浮かれて失敗をしないように、気を引き締めて寄港地で行動してほしいと思います。


          朝食の準備

       朝食はパンとスープ

       容赦なく波が襲ってきます

     時化でも見張りは欠かせません

          立っていられない生徒も・・

       酔ってもカレーは大丈夫

令和3年度第5次航海 第13日

2021年10月29日 12時33分
2年生


10月28日(木) 正午位置 N36°-33.7′ E141°-13.4′

 昨日の夕方は、静岡県の沖合を航行中に船橋から富士山を見ることが出来ました。私自身、船の上から見る富士山は初めてでしたがとても美しく、さすが日本のシンボルと言われるだけはあると感じました。そして今朝、起床時に海図を確認すると、ちょうど千葉県銚子の沖合を若鳥丸は北北東に進んでいました。銚子といえば、境港と同様に全国有数の水揚げを誇る漁港なので、親しみを感じます。生徒たちの船内での話題の中心は、釧路に関する事です。「釧路に着いたら早く海鮮丼が食べたい」とか「海鮮丼なら境港で食べられるから、ラーメンがいい」など、食べ物に関する話をよくしています。また、釧路動物園や釧路にある水族館に興味を持っている生徒もいるようです。釧路までもう少しなので、体調管理を万全にして有意義な寄港地研修にしたいです。


           操舵実習

        甲板作業(デッキ擦り)

          いい凪です

       動画を見て英語の学習

          洗面所の掃除

          読書のようす

令和3年度第5次航海 第12日

2021年10月28日 13時43分
2年生


10月27日(水) 正午位置 N34°-36.8′ E136°-56.6′

 名瀬を出港してからずっと時化が続いていましたが、今日はうねりこそあるものの比較的凪の日でした。今日のメインイベントは伊勢湾に入って航路学習をすることです。日本には船舶が輻輳(ふくそう)するため、海上交通安全法という法規が適用される海域が3つありますが、この伊勢湾がその1つです。残りの2つは東京湾と瀬戸内海なのですが、この2カ所は航海実習の後半に通る予定です。若鳥丸の航海実習において、1回の航海で3つの船舶が輻輳する海域に行くのは初めてのことだと思います。海上交通安全法の学習をしている船長類型の生徒はもちろんのこと、来年から一級小型船舶操縦士免許を取得する小型船舶の授業を選択している生徒にとっても、伊勢湾にある伊良湖水道航路を実際に航行した経験は非常に大きいと思います。伊良湖水道を航行していると、大型の貨物船やタンカー、底引網漁船や遊漁船など色々な船舶が輻輳していて油断ができない状況でした。コンパスデッキで航路の見学をしていると、10頭ほどのイルカの群れが若鳥丸の前を横切りました。生徒たちも大喜びで、スマートフォンで撮影をしていました。この航海では関門海峡の航路学習をしていた時もイルカと遭遇したらしく、三等航海士は「君たちは何か持ってますねぇ~」と感心されていました。
 昨日はきれいな夕日や星空の観察を行ったのですが、とても貴重な経験となりました。海はとても荒々しい一面を持っていますが、船でしか見ることのできない美しい景色を見せてくれます。残りの航海においても、多くの海の魅力、船の魅力に触れてもらいたいと思います。航海実習も10日を超え、ストレスもだいぶ溜まってきているとは思いますが、生徒たちは元気にしています。


       航路学習(船橋見学)


      三等航海士による航路解説


      美しい夕日が見られました

令和3年度第5次航海 第11日

2021年10月27日 11時08分
2年生


10月26日(火)正午位置 N33°-23.0′ E135°-51.1′

 今日は生徒たちが楽しみにしていた2回目のジギング実習でした。しかし沖合は相変わらず波が高いため、予定していた室戸岬の沖合は断念し、波の穏やかな湾内でジギング実習をすることになりました。まだ薄暗い朝の6時から開始し、すぐにレンコダイが釣れたのでこれは良さそうだと思ったものの後が続きません。その後はエソやシロサバフグなど、美保湾でもお馴染みのゲストばかりが釣れます。昼前まで頑張ったのですが、レンコダイ22~30cmが6匹、マサバ31~35cmが2匹と、とても寂しい釣果でした。予定通りに室戸岬の沖合にある瀬に行けていたらと悔やまれます。今回一生懸命ジグをシャクリ続けて身に付いた技術は、次のカンナカ瀬でのジギング実習に生かされることと信じています。生徒の皆さん、必ずリベンジしましょう!!


      ナイスサイズのレンコダイ


        大きなシロサバフグ


       かわいいレンコダイ


        今が旬のマサバ


         最高の笑顔


      夕日がとても綺麗でした

令和3年度第5次航海 第10日

2021年10月26日 10時18分
2年生


10月25日(火) 正午位置 N31°-27.2′ E131°-36.1′

 今日は昨日に引き続いて波が高く大きな揺れがあり、デッキに出ての体操とデッキウォッシュを中止にしました。朝食のメニューは生徒たちの好きなパンだったのですが、ほとんどが残されていました。航海実習10日目なので、もう船酔いをしないのが普通ではないかと思われるかもしれませんが、そういうものでもありません。上陸してしまうと船の揺れに対する耐性がリセットされるのです。オーストラリア航海のような片道2週間かかる航海では、3~4日経つと揺れの中を平気で生活できるのですが、今回のように寄港地が多いと、その都度リセットされるので出港直後の時化が一番きついのです。私自身も昨日はパソコンに向かって文章を打つ作業がとてもきつかったです。
 生徒が気になっているのは、いつこの揺れがおさまるかのようです。「いつまでこの揺れは続くのですか?」と良く聞かれます。南の海には台風も発生していますし、凪の中を走ることはないのではないかと予想しています。しかしながら、台風の予想進路は若鳥丸の航海計画には影響がなさそうで、台風が接近する前に釧路に入港しているはずです。
 夜には揺れも少しおさまり、生徒の表情にも笑顔が見られるようになってきました。明日は高知県の室戸岬沖でのジギング実習が予定されており、早朝6時の朝マヅメから開始予定です。明日の釣果にご期待ください。


    学習時間はほぼ全員が撃沈です


      夜になると船酔いから回復

令和3年度第5次航海 第9日

2021年10月25日 11時10分
2年生


10月24日(日) 正午位置 NAZE-KO

 ニュースを見ていると、沖縄周辺の海域を航行していた海上保安庁の船が、海面に浮かんでいる軽石の粒を吸い込んでエンジントラブルになり、航行不能になったそうです。この軽石は小笠原諸島の火山の噴火によってでき、南西諸島まで流されてきているようです。若鳥丸の周辺にも軽石がたくさん浮かんでおり、心配になって機関長に若鳥丸のエンジンに問題が出ないか聞いてみましたが、若鳥丸は深い場所から海水を吸い込んでいるため、海面に浮かぶ軽石は船内に入って来ないということでした。
 名瀬出港後は波の高さが2.5~3.0mあり、激しい揺れとなりました。生徒たちはほとんどが船酔いとなり、シーンとした雰囲気の夕食となりました。夕食を全く食べられなかった生徒もいたため、差入れのアイスを配布すると、本当に美味しそうに食べていたのが印象的でした。


        海面に浮かぶ軽石


          名瀬出港
            

       フェンダー作業


        船が激しく揺れます


        アイス最高です

令和3年度第5次航海 第8日

2021年10月24日 13時56分
2年生


10月23日(土) 正午位置 NAZE-KO

 今日は午前中に船長講義と機関長講義をしていただきました。船長講義では、船長に代わり三等航海士が伊勢湾の伊良湖水道航路についての説明や、船の喫水についての講義をしていただきました。機関長講義では、機関室で主機関のはずみ車の役割について説明した後、シリンダヘッドのカバーを外して、吸排気弁の動く仕組みや調整の仕方について学習しました。明日からは釧路に向けて出港しますので、今日の講義で学んだことを生かしてもらいたいです。講義終了後から生徒たちの上陸を許可したところ、繁華街で土産物を買い求めていました。また、昼食もテイクアウトに限定しましたが、生徒たちは「焼鳥屋でテイクアウトした焼き鳥が美味しかった!」とか、「唐揚げ専門店で熱々の唐揚げを買って食べた」と言っていました。今日の寄港地活動も充実していた様子です。


     油圧装置についての講義


     吸排気弁についての講義      


      伊勢湾 伊良湖水道の講義


       船の喫水についての講義


      テイクアウトの昼食


      こんな場所に停泊しています

令和3年度第5次航海 第7日

2021年10月23日 13時49分
2年生


10月22日(金) 正午位置 NAZE-KO

 昨日の名瀬入港は雨や風が強い中での入港だったため、今日は本当にダイビング実習ができるかどうか心配でした。
 早朝までは雨が降っていたものの、9時頃には雨がやんでよいコンディションとなりました。北風が強く吹く予報でしたが、ダイビングポイントは大島海峡という陸地に囲まれた風に強い場所なので、海面は凪の状態でした。私自身、初めての奄美大島でのダイビングでしたが、沖縄の慶良間諸島に引けを取らない程の熱帯魚やサンゴ礁でした。水深は5~8m程度の浅いポイントだったため、生徒たちも安心して潜れるようなよいポイントでした。生徒の中には、「この航海に参加して本当に良かった」とつぶやいている人もいました。その後に行ったホノホシ海岸や大浜海浜公園は絶好の写真撮影のポイントで、生徒たちも楽しそうに色々なポーズで写真撮影に夢中でした。このような好条件で寄港地研修ができたことに、本当に感謝です!!


       ダイビングボートに乗船 


         ポイントへ移動
         

        サンゴ礁がいっぱい


       熱帯魚もたくさんいます
       
 
         奄美の海は最高!!                 


       かなり深く潜っています

令和3年度第5次航海 第6日

2021年10月22日 19時05分
2年生


10月21日(木)正午位置 N28°-42.0′ E129°-53.2′

 今日は生徒たちが楽しみにしていたジギング実習でした。しかし雨や風、波などのコンディションが悪く、かなり厳しい条件の中での釣りとなりました。前回の長期航海では、今日と同じポイントでスマの群れが回遊していたため、多くの生徒がスマの強い引きを味わい、ジギングの魅力を知ることが出来ました。今回も同じような展開を期待したのですが、回遊魚の群れは無くあまり良い釣果とはいえませんでした。しかし電動リールを使った釣りに初めて挑戦し、腕力の無い女子生徒や普段あまり釣りをしない生徒も電動リールを駆使して釣果をあげていました。今後は若鳥丸の釣り実習の幅が広がっていくことは間違いありません。今日は私も大物を釣らせていただきましたが、これからも漁獲の喜びを多くの生徒が味わえるような漁業実習ができる若鳥丸でいて欲しいという思いをさらに強くしました。明日はスマの刺身やタタキを生徒たちにご馳走する予定です!


         キツネベラ


         メイチダイ


       ニザダイの仲間


       ヒレナガカンパチ
         

       センニンフグ70㎝


        重い!スマ80㎝!

令和3年度第5次航海 第5日

2021年10月21日 15時40分
2年生


10月20日(水)正午位置 N30°-27.9′ E130°-59.1′

 奄美でジギング実習をする漁場への到着時刻を調整するため、種子島の港の近くで9時頃から錨泊をすることになりました。生徒に種子島と言えば何?と聞くと「ポルトガルから機関銃が伝わった場所」という回答が返ってきましたが、当時は火縄銃だったと思います・・・。他にも「ロケットを飛ばす島」と言った生徒もいたのですが、若鳥丸から種子島を見ると種子島宇宙センターが見えるではありませんか。そして、5日後にはロケットの打ち上げが予定されているそうです。奄美大島を出発する日の翌日なので、運が良ければ打ち上げが見られるかもしれません。ミーティングの後に差入れのアイスをいただきました。どうして船で食べるアイスはこんなにも美味しいのでしょうか、不思議です。明日はジギング実習と名瀬入港ですが、浮かれて気を緩めることの無いように、マナー良く奄美大島で寄港地活動を行いたいと思います。


       種子島宇宙センター


         デッキすり 
        

       漁業技術検定の特訓


         通路の掃除
         

      差入れのアイス最高です


      映画「海猿」上映会