2年生
平成27年11月19日(木)
正午位置 関門港下関区(N33°-56.6 経度E130°-55.5)
風向/力ENE/2 天候bc 気圧1020.2hPa 外気20.0℃ 水温19.2℃
11月19日(木)指導教官の日報
日本に帰ってきました!(昨日すでに日本でしたが、入国審査を終えなければ外国へ行っているのと同じ状態です、今日の入国審査を終えて、やっと上陸できます。)入航時、関門海峡早鞆の瀬戸は東流6ノットと、強い逆潮を受けながらの航路航行でした。なんと実習生が舵を持ちました。潮を受けながらの操船、船首方位を定めるのが難しく、大変良い経験になったと言っています。ブリッジの緊張感あふれる雰囲気、大洋航行中とは違う空気を感じていました。関門橋を通過し海響館、タワーを通過、10時に関門港下関区第一突堤に着岸しました。入国審査、税関、検疫もスムーズに進み、13:15上陸許可、班別研修としました。2週間ぶりの陸地、降り立った時は若干ふらついていましたがどこでご飯を食べるか、どこで買い物をするか、楽しそうに話しながら思い思いに出て行きました。今日の夕食は自由。お好み焼き、ステーキ、ハンバーガー、そして定食。どれもおいしかったけど、やっぱり一番は家のご飯、と言っていました。帰船時間やミーティング時間も守り、時間厳守ができています。一人が時間に遅れると、その後の予定が狂っていく、どこかに無理がいく、みんなに迷惑をかけるということがわかっているようです。消灯後も思っていたより落ち着いて部屋で休んでいます。昨日は雨だったのに、今日は朝から晴れ。18日鳥取県西部はすごい雨と風だったようですね、若鳥丸が帰る頃は天気が良いという予報。雨雲を吹き飛ばしながら帰ります。でも最後に大どんでん返しがあるかもしれないので、残りの3日、築き上げたものを崩さないように気を引き締めて行きたいと思います。

操舵

潮こんな感じでした

下関だー

ジャンケン大会
勝った人から好きなお菓子を選べます
2年生
平成27年11月18日(水)
正午位置 太平洋(N33°-54.4 経度E131°-07.0)
風向/力SW/3 天候bc 気圧1018.9hPa 外気25.3℃ 水温25.0℃
11月18日(水)指導教官の日報
実習33日目。まだ真っ暗の中起床時間を迎えました。いつものとおり、起きてライフジャケットを着て、廊下にでてきた実習生、私と出会って「おはようございます」と挨拶しながら怪訝な顔、「あれ?先生ライジャケ着てないぞ。」そしてふと気がつく「そうか、もう日本か。まだ真っ暗なんだ。」一晩で日出の時間は30分遅くなり、昨日までは半袖で外へ出ても平気だったのに、一気に寒くなっていました。というわけで、今朝は体操・デッキ洗いはせず、部屋の整理整頓としました。8:45に携帯電話を預かり、午前中は入国準備で船内大掃除、生徒通路や食堂、洗面所、トイレ、士官フロア等、丁寧に掃除をして、乗船する前よりキレイにしてくれました。昼食後に錨地(船が錨を降ろして停泊する海域)に到着、錨泊しています。例年なら夜この海域に到着するのですが、今回は昼。周囲には漁具を示すブイや旗がありますが、明るかったので安心して投錨できたそうです。実習生2名を連れて船首で投錨作業見学、錨が船から海に沈んでいく様子とウインドラスの操作を見学しました。午後はホーサー(船を岸壁に留めるロープ)の準備をして、明日の入港に備えました。携帯の電波は朝から入るようになり、起床から預かるまでと、15:45に返してから消灯まで実習生は窓側に集まっています。例年見る光景ですが、ちょっと違うのは電波が入ったからといって大騒ぎしたり携帯に没頭して時間を忘れる、ということがない点です。読書の時間も40分には揃っていました。預かったことで、興奮せずに済んだのかもしれません。明日は下関入港、もちろん明日の上陸を心待ちにはしていますが、特に浮き足だって羽目を外すような様子もなく、昨日までの普通通りの船内生活を送っています。船内では船内の生活をきちんとやる、という切り換えができているのかもしれません。
朝から雨、濃い霧がかかることもあり明日の上陸は雨模様を心配しましたが、明日、明後日は晴れの予報。この実習生たち、やっぱり何か謎のパワーを持っています。

電波を探してうろうろ

アンカーが沈んでいく

課題提出 最後の追い込みで間に合った
2年生
2年生
平成27年11月16日(月)
正午位置 硫黄島付近(N25°-11.3 経度E136°-55.0)
風向/力Eats/5 天候r 気圧1017.5hPa 外気25.7℃ 水温28.2℃
11月16日(月)指導教官の日報
実習31日目、下関まであと3日となりました。全部終わっている実習生もいれば、間に合うかどうか、微妙な実習生もいます。最後の追い込み、今日も学習室でミーティング後の学習会が開かれています。課題を終わらせないと下関での上陸はなしと言っているので、学習の時間に終わった人の課題を借りて答えを写そうとする実習生がいました。いままでこつこつとやってきたものを横取りするようなずるいことをしない、自分で考えてやりなさい。ときつく注意しました。日誌の感想には反省した様子が書かれていました。ネックなのは数学、特に文章題です。やってみればできるのに、初めからやらずに「できない」と言って逃げようとしますが、逃がしません。よく読んで図を書いて考えるように一人一人教えています。答えを教えてもらうことより、考えることが大切です。そして、できるようになった実習生がわからないと言っている実習生に教えています。難しい問題に直面した時、解決のために持っている力を使う、みんなと考える、そんな大人になってほしいと思います。こんな残念なことがあった反面、掃除ではとても嬉しいことがありました。生徒通路担当の実習生が30分かけて丁寧に掃除をしてくれたのです。掃除機もモップ掛けも汚れを見逃さない!という気持ちでしっかりやってくれました。モップ掛けのあと、もう一度掃除機を掛けるなどの素晴らしい工夫をしています。こうして自分たちでキレイにしよう、という気持ちでいろいろと考えながら掃除をしてくれて、本当に嬉しく思いました。さて、あと数日で携帯電話の電波が届くようになります。携帯電話は便利な道具ですが、使い方によっては今まで積み重ねてきた実習の雰囲気や心持ちが緩み、この実習生たちが一瞬でダメになる道具でもあると思います。連絡を取りたい人やログインしたいゲーム、SNSがあることは理解していますので、その時間を設けつつ、学校と同じ時間帯、課業中の使用禁止あるいは預かりなどでそれを阻止したいと思っています。今日の1分間スピーチは2名です。2人とも最後の1週間、クラス全員にとってプラスになったと思える実習にしましょう、とか緊張感を持ってやります、など指導教官、乗組員の願ってやまない思いを言ってくれました。これが実現するようしっかりと指導していきます。
2年生
平成27年11月15日(日)
正午位置 マリアナ諸島近海(N20°-58.7 経度E139°-16.9)
風向/力ENE/4 天候bc 気圧1014.5hPa 外気28.6℃ 水温27.5℃
11月15日(日)指導教官の日報
実習30日目、今日は4回目の海洋観測でした。今航海スピードが出ていましたので、例年に比べて一番北の地点で観測をしたとのこと。10月28日、11月10日と赤道付近で行った海洋観測の結果と比べたところ、赤道付近とは違い水温も塩分も水深が深くなるにつれてなだらかに下がっていきました。プランクトンも赤道付近で見た動物プランクトンがいましたが、食べているものが違うのか、内蔵の色が違いました。海、と一言に言っても環境が全く違うことに気がつき、とても貴重な体験をしていました。そして今回はペットボトルのふたをかたく締めて、CTD(海水の塩分、水温、圧力等を計測するセンサーで構成された観測装置)と一緒に沈めてみました。水圧で空気が圧縮されたことの証明に、ペットボトルはぼこぼこになりました。缶を沈めてみれば良かった、炭酸ジュースを沈めて見れば良かったなどなどいろんなアイディアを出してくれましたので、次回その機会があればやってみたいです。機関部では海洋観測中に燃料噴射試験をしていて、当直者が見学しました。また、機関始動も見学して、普段の当直では見ることのできないことを見学できた、と喜んでいました。残り1週間となり、実習生の成長もいよいよ仕上げの時です。

水圧で凹んでしまったペットボトル

観測結果のグラフ

みんなで納豆を食べています
2年生
2年生
平成27年11月13日(金)
正午位置 グアム付近(N12°-13.2 経度E144°-00.2)
風向/力ENE/4 天候bc 気圧1010.5hPa 外気29.2℃ 水温29.3℃
11月13日(金)指導教官の日報
当直表は14日ごとにA4・1枚で作っています。37日分なので3枚。今日の20時、当直班交代で最後の3枚目になりました。燃料タンクの油量も減って船が軽くなってきているのでふわふわと複雑に揺れています。グアムを通過して、0時に船内時間を日本標準時に戻して。もうすぐ日本に帰ります。最後の1週間は自主的に、積極的に、を目標にしています。8割の子ができていてあと5,6人というところです。指導教官とも、これまで経験した中で一番ランクの上がった学年だ、と話しています。時化が日本を出て3~4日程度で、あとは凪も良く、船酔いがないのでご飯をしっかり食べて体力があるので、やる気もでる、というところでしょうか。何事も体が資本ですね。船長講義、機関長講義でも講義を受ける態度が良くなったと誉めていただきました。今日の1分間スピーチでは実習生が学習の時に静かにできているが、まだ寝ている人もいるのでそこは直した方が良いこと、挨拶ができていること、みんながけんかもせず仲が良いことを、食堂や廊下にゴミが落ちていないこと、食事の後みんなで片付けていることを話してくれました。確かに仲が良くなったと思います。出港前の学校ではあまり接触のなかった子たちが話をしていたり、あだなで呼んでいたりしています。一緒に生活していると嫌な部分も見えてくると思いますが、それも含めてその人と一緒に過ごしている、という面も見受けられます。こうした部分が学校に帰っても続いてくれるといいな、と思います。
<今日の一言>食当楽しかった。来年の7月までないと思うと悲しい。By実習生 3人の班でしたが、とても段取り良くできていました。ご苦労様でした。
※13日、14日で船内時間を計1時間戻し、日本標準時となりました。
2年生
平成27年11月12日(木)
正午位置 赤道付近(N07°-36.3 経度E146°-25.3)
風向/力WSW/3 天候r 気圧1011.6hPa 外気26.0℃ 水温29.3℃
11月12日(木)指導教官の日報
実習27日目、残すところあと10日となりました。南にいる頃より日出の時間が遅くなっていて、日本に近づいていることを実感します。最近はさっき起きたと思ったらもう夜か、消灯時間か、と思うくらい1日が早く過ぎていきます。ケアンズ出港から1週間、下関入港まで1週間、深夜から早朝の当直に遅れたり、講義で身が入らなかったりと気が緩んでいる実習生が出てきました。最後の仕上げとしてもっと意識を高めて、この実習で学べることは全部吸収するつもりで取り組んでほしいところです。今日の1分間スピーチでも、実習生が当直に遅刻したことを反省し、気を引き締めていきたいと話していました。あっという間に最終日になります。一日一日を大切に過ごすよう、指導していきます。今日の機関長講義では機関室から発電機のピストンや船尾管のグランドパッキン、排気弁と吸気弁、燃料噴射弁、クランクの模型を持ってきていただいて、現物を見ながら説明していただきました。船長講義でも係船設備や錨の設備を見ながら説明をしていただきました。教科書では理解しにくいことでも、実物を見るとその大きさや質感など立体で見て学ぶことができます。船長も機関長も実習生に伝えたいことがたくさんあるので様々な工夫をしてくださっています。せっかくの機会を逃さないようしっかり学んでほしいところです。体調不良が出てきました。風邪気味の生徒は数名います。その他のどが痛いという子が増えています。掃除をよくすること、シーツを洗うこと、うがいをすること、湿度を保つこと、と話しています。
※13日、14日に日付が変わる0時、船内時間を30分ずつ戻します。2日間で日本標準時になります。

機関長講義

船長講義

夜会、トランプ
2年生
平成27年11月11日(水)
正午位置 赤道゙付近(N03°-29.2 経度E149°-04.6)
風向/力SSE/3 天候bc 気圧1010.1hPa 外気29.9℃ 水温29.8℃
11月11日(水)指導教官の日報
今日はスコール・晴れ・スコール・晴れ・スコール・・・の一日でした。朝、体操が終わって「スコール来そうだけどデッキ洗いまではもつだろう。」と思ってデッキ洗いを始めました。ちょっとホースさばきに手間取り、スコールが来る前に終われず。洗い終わる1分前から降り出した雨は、デッキから船内に戻ろうとする頃になってザーザー降り。しばらくみんなでスコールを見ました。午前中の作業も手すり磨きから船内の廊下掃除に変更。スポンジとクレンザーでキレイに磨いていました。学習が終わって昼食前、ちょっと日焼けにデッキに出ようとした子がいましたがまたスコール。午後の学習が終わって外へ出ていたらまたまたスコール。降り注いだ雨をタンクに貯めたら何トンになるのだろう、男子のお風呂何杯分だろう、洗濯何回できるだろう、と思うほどの降り様でした。今日の1分間スピーチでは実習生2名が話しました。2人はいつもフットワークが軽く、言われなくても気づいたことをどんどんやってくれています。そんな2人はみんながこの航海で成長してきた部分について話してくれて、本当に良い視点をもっているなぁと感じました。他の人からの評価も大切ですが、自分自身が成長を実感できることも大切だ、と口添えしました。自分をしっかりと見つめて良いところを伸ばし、直すところを改善していく残り数日にしてほしいと思います。あとは物を机の上に放らない、使った物を次の人が使いやすいように片付ける、掃除をするときに心を込めるなど細かい点。よそでやって恥をかく前に船でしっかり身につけさせたい点です。疲れも溜まってきていますので、ちゃんと寝て、食べるものを食べて日本への帰りに備えていくようにも言っています。時間と体調と持ち物は自己管理、毎航海、帰りになると言っている一言です。疲れに気づかないで放っていて、熱が出るということにならなきゃいいけど、と思っていましたが、1名熱を出したので、安静にして休ませます。