3年生
7月17日(日)正午 播磨灘航行中
風向:北西 風力:2 天気:本曇り 気圧1007.8ヘクトパスカル 気温26.5℃ 水温:25.5℃
実習18日目、神戸を出港しました。この学年の最後の出港です。船橋当直生徒が神戸ポートラジオへ出港通報しました。通信長に「声が明瞭で滑舌も良い」と褒めていただき、照れくさそうに笑っていました。出港後は明石海峡航路、備讃瀬戸東航路、備讃瀬戸北航路、来島海峡航路を経て関門海峡航路学習と19日釣り実習に時間を合わせるため、20:15に愛媛県波方近くの小部湾に錨泊しました。2年のときに東航したルートを今回は西航です。来島海峡では逆潮約6ノット、潮の流れが強いときの海面の様子や船の動きをじっくりと観察していました。また、西水道を抜けた後にちょうど日没、みんなで素晴らしい夕陽を見ることができました。それから今日は生徒の誕生日です。みんなからおめでとうと言われ、プレゼントをもらい、「みんなに祝ってもらえて、生まれた中で一番うれしい誕生日になった」と大喜びでした。今日は「18歳になったんだから」と言って頼みごとをすると、嬉しそうにやってくれました。これから先も誕生日は何度も来るでしょうが、仲間に君は大切な存在であると伝えてもらった誕生日となって、指導教官も嬉しかったです。

瀬戸大橋通過します 誕生日おめでとー!!

来島海峡で見る夕陽
3年生
3年生
7月15日(金)正午 阪神港神戸区係留中
風向:南北西 風力:3 天気:本曇り 気圧1000.8ヘクトパスカル 気温26.1℃ 水温:26.1℃
実習16日目、3年間の航海で、最後の寄港地となる神戸での寄港地活動です。午前は神戸地方気象台所属、港湾気象官(港湾気象官がいる気象台は横浜、名古屋、神戸だけだそうです!)が来船され、説明を受けながら若鳥丸の気圧計補正を見学しました。ブリッジにある気圧計もコンパスデッキにある気圧計も正しい補正値をいただきましたので、次の記録からはこの補正値を使います。精度は良好とのこと、安心しました。その後地下鉄と電車を乗り継いで神戸地方気象台へ移動。初めての地下鉄、初めてのicocaでピッ、「三宮」という駅はJR、私鉄いろいろある、改札からホームまでが長い、エスカレーターの乗り方などなど移動も驚きの連続で、見ていておもしろかったです。気象台では、観測をしているところを見せていただきましたその後班別研修、都会で迷子になりながらも全員帰船時間には船に帰ってきました。指導教官は境港市長選挙投票者の引率、タグボートの会社見学を引率しました。タグボートの見学では、その操縦性の優れていることといったらただただ驚くことばかりでした。もっと知りたい、わくわくした気持ちが伝わる素晴らしい学びの場となりました。明日は最後の寄港地活動、どこか寂しい気持ちにもなるけれど、元気に行ってきます。
若鳥丸船橋にて気圧計の補正 タグボートの見学
3年生
7月13日(水)の正午現在の様子 (奄美諸島東)
風向:南西 風力:4 天気:晴れ 気圧:1008.6 気温:30.3 水温:29.0
<指導教官からの日報>
実習14日目、波高1.5~2.5mのうねりの中を航行中。横揺れ+時々波を受けて船首が右に左に一気にもっていかれたり、30回に1回大きな波に遭遇したりと、あぁ太平洋だな、という印象です。生徒食堂の窓も波をかぶって、なかなか良い感じに揺れています。しかし船酔いはなく、みんなへっちゃらな顔をして当直や食当、学習などの船内業務をしています。今日は徳之島を通過しました。オーストラリア航海のとき、ここで変針して太平洋に出て約4日間時化続け、苦しい船酔いを耐えてケアンズへ着いたのでした。あれからずいぶんたくましくなりました。奄美大島を抜けて夕食頃までは船速が出ず神戸入港が遅くなるかも、、、と思っていましたが「ある生徒が到着予定時刻を計算するとだいたい早くなる」という船長の予言どおり、20時頃から黒潮に乗り、消灯時間には15ノット前後で走っています。びっくり!!初めて見ました若鳥丸の15ノット、これも船底塗料のおかげでしょうか。当直中の生徒が「黒潮が3ノットだよ」と教えてくれたので写真をとりました。船速も、成長もスピードアップ、このままの勢いで神戸に入港したいです。

これは何前線でしょうか うねりを受けながら航行中

3年生
7月12日(火)の正午現在の様子 (沖縄県那覇港)
風向:南 風力:3 天気:晴れ 気圧:1008.7 気温:31.3 水温:29.1
<指導教官からの日報>
実習13日目、13時に那覇港を出港しました。午前中はこれまでのまとめをしました。1.船内業務について(当直、食当、学習、掃除)2.船内生活について(船内業務以外の生活について) 3.台風による航程の変更について 4.沖縄での研修について 5.残り1週間の実習について をひたむきに一生懸命に書いていました。その後、一人ずつみんなに伝えたいことを発表しました。台風避難や沖縄での研修など共通の経験をしても受け止め方はそれぞれに違い、その違いをお互いに理解しあえる、この子達はそんな実習生です。出港は気温が高い中でしたが、入港のときより格好良くなりました。少々うねりがあり、この期に及んで「この先いつ頃揺れますか」「どのくらい揺れますか」と言って船酔いにびびっている実習生もありますが、「揺れる=異常事態と脳が認識→船酔いになる。船は揺れるもの、揺れない方がおかしいんだ、と脳をだまして揺れていても頑張れ」と話しました。夜の就寝準備では私たちは部屋で休み、実習生だけで片付け、消灯には全員が部屋に入っていました。これまではこちらのしつこいくらいの声かけが必要でしたが、用事があって部屋に来た生徒が「先生寝てて良いよ、自分たちでやるけん」と頼もしい姿を見せてくれました。残り1週間、こうした成長を積み重ね、安全で充実した実習になるようにしていきます。

みんなの思いが伝わります フェンダー作業はおてのもの

飛行機って速いよね 出港後の青い海

食堂の蛍光灯を交換
3年生
7月11日(月)の正午現在の様子 (沖縄県那覇港)
風向:南 風力:3 天気:晴れ 気圧:1008.7 気温:31.3 水温:29.1
<指導教官からの日報>
実習12日目、今日は各自で班を組み、班別研修です。熱中症が心配されるほどの蒸し暑さの中、喜び勇んで上陸していきました。首里城へ行ったり、国際通りへ行ったり、ビーチへ、志望校へ行ったりと思い思いの研修をしてきたようです。移動手段としては地元では滅多に乗ることのないバス、タクシーと初めて見るゆいレール(モノレール)、そして徒歩があります。初めてゆいレールに乗った実習生は、自動改札やホーム落下防止のゲートに驚き、動き出すと「地面を走っていないので浮いている感じがして、複雑な気分だった」「落ちそうで怖かった」と言っていました。神戸ではICカード改札&都会の満員電車にチャレンジしますので、どう感じるのか見物です。また、タクシーに乗った実習生は、運転手さんが親切だったと口々に言っていました。中学3年生の修学旅行で那覇の班別研修をした生徒は、その時の運転手さんと久々の再会を果たし、お互い喜んでいたそうです。人の縁ってすごいですね。私は生徒とある大学へ受験の下見に行ってきました。建物の中に入ることはできませんでしたが、「自分がここで大学生活を送っていることを想像してみよう」と話しながら広大なキャンパスを約2時間歩き周り、しっかりと下見ができました。とても喜んでくれて、一緒に来て良かったなぁと思います。モチベーションもあがり、船に帰ってからも学習室でひとり、黙々と勉強していました。そういえば私も航海実習の寄港地活動のときに担任だった先生と大学を見に行ったのでした。当時は自分がする側になるとは思っていませんでしたが、その経験があったからこの子達にもしてやれると思うと感謝に堪えません。そして今日は野球部の2名、支援教員の先生が一足先に下船しました。
明日は13時那覇出港、通常業務に戻ります。神戸までは波高2~3.5mの見込み、「船酔いするかも。でも大丈夫。」自信がついてきました。
7月20日まで残り9日。いろんな経験の機会を逃さず、成長して境港に入港します。


朝のランニング 帰船後の読書

一昨日の自主練(バレー部、陸上部、ボクシング部)
3年生
3年生
7月9日(土)の正午現在の様子 (沖縄伊江島周辺)
風向:南 風力:5 天気:晴れ 気圧:1005.8 気温:29.8 水温:29.0
<指導教官からの日報>
実習10日目、無事那覇に入港しました。昨日の船酔いが継続して朝は酔っていましたが、午前の学習中に船長から入港時間が早まったこと聞き、拍手喝采。昼食時に入港時間が早まったので、上陸する時間を作れる、と話すと一転、みんな元気になりました。入港、上陸を心待ちにしていたことが伺えます。今日は上陸する予定ではなかったのですが、昨日の大時化を協力して乗り越えてきたので、1時間ずつ2回の上陸許可としました。それぞれコンビニやスーパーへ行ったり運動したりと羽を伸ばしていました。しかし、入港時にテンションが上がりすぎたり、浮かれて上陸時の服装が整っていなかったりとなんとも情けない面も露わになってしまいました。入港時のフェンダー作業では「あの岸壁フェンダーに合わせて」と頼めば高さも位置もぴたりと合わせてくれ、船長から「戦力として見ることができた」と言ってもらい、当直ではその仕事ぶりから「船員の卵」と言ってもらえるまでに成長しているのに・・・。ミーティングでは那覇の雷注意報よろしく痛烈な雷が落ちました。先生方からも、3年生らしくないと言われ、反省しきりです。自分たちでしっかりとわきまえ、私たちが重石を付けなくてもいいはずの3年生。羽を伸ばすのはいいけれど、そのまま勝手に気ままに飛んでいかないようにしてほしいです。一人一人の自己中心的な考えや行動ではなく、若鳥丸の一員としてそれにふさわしい言動をとるよう伝えましたので、これから成長してくれることを期待します。
明日は美ら海水族館、道の駅かでな、ひめゆりの塔・平和祈念公園・平和の礎で研修です。実習生がそれぞれに、何を感じ何を学ぶのか、毎回のことですがとても楽しみです。

船長の位置で操舵号令を出す 皿洗いがんばれ

入港前の様子 フェンダーおもてチーム
フェンダーともチーム 早く下船したいから、食事当番手伝います

夜の自由時間 トランプにお茶漬け
<那覇までの航路図>

3年生
7月8日(金)の正午現在の様子 (トカラ列島周辺)
風向:南 風力:5 気圧:1008.3 気温:29.3 水温:27.1
<指導教官からの日報>
実習9日目、朝6時に錨を揚げて那覇へ向け出航しました。波高4m~5mの時化にあって実習生はしんどい時間を過ごしています。この波高はイカ釣り航海や、オーストラリア航海の4日目から7日目と同じくらいです。昨夜から荒天に備え準備し、朝ご飯は全部食べるように指示。案の定鹿児島湾をぬけたときから、湾外に出たことがはっきりと分かるほど揺れはじめ、ブリッジは何度も潮をかぶっていました。船橋当直は立っているのもしんどい、機関当直は油の匂いに吐き気をそそられる、食当は一つ作業が終わると座り込む、そんな状態でしたがなんとか昼食まで粘りました。昼食後もう一段階波が高くなり、立て続けにトイレに走り込みます。読書の時間に本を読んでいるのはわずかで、あとは伏せている、という状態でした。船酔いの苦しく辛い思いは何度味わっても苦痛でしかたありません。一瞬思い浮かぶのは「ここまでして沖縄に行きたいのか??」という気持ち。しかし「いやいや沖縄に行くことが目的なんじゃない、船で生活することが目的なんだ」と思い返し、当直や食当、掃除を頑張っています。食当や掃除では船酔いで対応できない班を酔っていても動ける実習生が手伝っていて、2年生のオーストラリア航海から大きく成長していることを実感しました。特に2名が別人かと見紛うほどの成長ぶりです。2年の時はあんなに帰りたい、船はもういやだ、当直行きたくないと我が儘ばかりだったのに、今回は周りを助けて動ける存在になりました。今日のような揺れであればベッドから出ることすらできなかったのに、今日は船橋当直に行きました。2時間のうちほとんどがトイレで、たまにワッチをしていたということだそうですが、「船酔いひどいけど当直どうする?」と聞くと自分から「当直に行きます。」と言いました。19時半には静かな船内になり「あぁ今日は早く寝れるな」と思っていましたが20時頃奄美諸島の西側を通り始めると波高は2m~3mと揺れも小さくなり、食堂でトランプをしたり夜食を食べていました。

船の外はどんな感じかな。 こんな感じです。

船酔いのときの食事当番が一番辛い? 昼食:食べられる時に食べておく