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日誌

オーストラリア国際航海No.25

2015年11月10日 12時50分
2年生
平成27年11月9日(月)
 正午位置 ニューアイルランド付近(S05°-00.0 経度E153°-11.3)
 風向/力SW/3  天候bc  気圧1008.3hPa 外気29.3℃ 水温29.7℃

絵文字:鉛筆
11月9日(月)指導教官の日報

実習も残り2週間となりました。今日もみんな元気です。元気すぎて食堂が大繁盛です。夕飯が17時のため、育ち盛りの実習生達は20時頃になると「腹減った~」といっておひつにあるご飯やカップラーメンを食べています。今日の夕飯ではオーストラリアで仕入れたワニの唐揚げがでました!鳥のささみを少しかたくしたような食感でおいしかったです。こうした現地の食べ物を知るのも国際交流のひとつだと感じます。あいかわらず良く食べてくれるので、熱が出た、頭が痛い、おなかが痛いなどということがなく気が楽です。今日の機関当直では、オーストラリアで積んだマリンガスオイルと日本のA重油を比較していました。匂いをかいで、燃料に潤滑油が混じっていないか確認することも習って、新しいことをどんどん吸収しています。船長講義では出入港作業と係船・錨関係の設備について学習しました。投錨・揚錨作業でチョッサー(1等航海士)が何を見ているのか、同じ位置からのぞいてみました。「前進を止められなくてぶつかりそうな時はどうやって船を止めるか」という質問に実習生が「錨を使う」と即答。この発想を持っていたことにびっくりしました。少し時間があったので、ドックに入っているときの写真を見ながら船長より解説をしていただきました。塗料を塗る、デッキをはる、機関を組み立てる、溶接をするなど様々な仕事を見て、「こういう仕事もあるのか、いいかも。」と思った子もいました。この航海が終われば12月、3年生まであと少し、あっという間に進路選択が迫ってきます。この航海で知った仕事に関心を高め、専門分野を希望する実習生が増えてくれたら嬉しいです。

   
チョっサーは錨作業のでこうしている 今日は実習生の誕生日でした

色も臭いも揮発性もちがう

オーストラリア国際航海No.24

2015年11月9日 18時26分
2年生

平成27年11月8日(日)
 正午位置 パプアニューギニア付近(S09°-53.7 経度E152°-12.1)
 風向/力Nortt/calm  天候bc  気圧1010.0hPa 外気29.0℃ 水温29.3℃

絵文字:鉛筆
11月8日(日)指導教官の日報

 明け方、ジョマード水道を再び通過しました。ケアンズを出てからここまで、例年なら揺れて船酔いがあるようですが、今年は過去1回しかなかった凪が続いています。当直も遅刻なくできていますし、作業や学習もたいへんはかどっています。あとは船内生活です。指示の意図を理解して動けるようになれば上出来です。午前中の作業は手すり磨き、炎天下のなか一生懸命コンパスデッキの手すりを紙やすりで磨き、ニスを塗って仕上げました。2時間の作業でさらに日焼けして、日本に帰ったら冬なのに実習生は真っ黒、学校へ行ったら違和感ですね。午後からは学習、今日は右舷班が下関で提出する携帯品申告書を作成、申告漏れがないよう、慎重に作成していました。少しずつ日本入国の準備をしています。清水タンクの水量のバランスにより朝は左に傾いていましたが、午後各タンクの水を移動させて船の傾きを戻しました。実習生が水平になるよう監視していて、ちょうど良いところで合図を出し、2/O(2等航海士)が移動を止め、船を水平にしてくれました。感性が良いと船長からも誉められ、ちょっと照れていました。いろんな経験をさせてもらっています。また、「ボースンは出会うたびにいつも仕事をしている」と言っている実習生もいました。いいセンスだなぁと思います。船内の生活環境や船体を整備するボースン・甲板員の仕事は、船の仕事が当直だけでないことを教えてくれます。司厨部、甲板員、機関員など船での仕事は様々です。全部を経験できるわけではありませんが、彼らが経験の中からいろんな選択肢を見いだしてくれると良いな、と思います。今日の夕陽はとてもきれいで、水平線にかかる薄い雲の向こうに太陽が沈んでいきました。この海域では珍しい薄い雲がかかり、神々しい日没でした。毎日日出・日没を見ておられるチョッサー(1等航海士)曰く、これまでのオーストラリア航海のベスト20に入る夕陽とのこと。撮影が間に合わずベストショットではありませんが、少しでも伝わると嬉しいです。


         手すり磨き

  細かい場所にもニスを塗る

今日の日没。必要なのは方位環よりもカメラだった!

オーストラリア国際航海No.23

2015年11月8日 13時20分
2年生
平成27年11月7日(土)
 正午位置 ケアンズ出港(S13°-47.3 経度E149°-29.4)
 風向/力ESE/2  天候bc  気圧1011.7hPa 外気27.5℃ 水温27.4℃

絵文字:鉛筆
11月7日(土)指導教官の日報

 通常日程に戻りました。7日未明、南十字星を見る会開催。南東の水平線から約45°のところに4つの輝く星を見つけました。参加した15名の実習生は満天の星空と、南半球でしか見られない南十字星を見て感激していました。でもさすがに眠たくて、みんな20分ほどでデッキから部屋に帰りました。行きは月が満ちていくときで、赤道で満月を迎えた後も半月の明るい光のために降り注ぐような星を見ることができませんでしたが、帰りは赤道で新月を迎えますので星の観測がたくさんできそうです。満天の星空を家族や友だちに見せたくて、なんとか写真を撮ろうとしていましたが、揺れているのでぜんぜん撮れません。残念でした。午前中の学習はお土産でも日本に持ち込むものリストを作りました。下関入港時には携帯品申告書という書類を提出しなければなりませんので、一人一人パソコンで入力しました。午からは船長類型は太陽高度測定、海洋技術類型6級海技士勉強です。ちょうどこの時期太陽はケアンズで真上に近く見えます。ケアンズは太陽が北寄り、南寄り、真上で通過するところだと2/O(2等航海士)から教えてもらい、勉強になりました。さて、実習生は上陸疲れか、課業の合間に寝ています。今日の夕飯はTボーンステーキ(食べるのに夢中で写真を撮り忘れました)、しっかり食べてしっかり寝て、疲れをとっているのです。みんな元気です、ちゃんと食事を摂る人は体調を崩すこともなく元気でいられるようです


     申請書作成中

太陽の高度測定の前に、水平線をずらしています

オーストラリア国際航海No.22

2015年11月7日 20時17分
2年生
平成27年11月6日(金)
 正午位置 ケアンズ出港(S16°-46.3 経度E146°-09.7)
 風向/力East/3  天候bc  気圧1010.7hPa 外気26.5℃ 水温27.3℃

絵文字:鉛筆
11月6日(金)指導教官の日報

 本日11時、ケアンズを出港しました。岸壁には関係者の他、通りかかった人たちも見送って下さいました。離岸では、実習生が号令をかけ、埠頭に響き渡る声で「ありがとうございました」と恒例のあいさつ。実習生は滞在していた4日間、とても充実した寄港地活動を行うことができました。「また来たい」「出会った人たちがみんな幸せそうだった」「楽しそうに生活していた」「親切にしてもらった」「留学してみたい」「この滞在をきっかけに進路を考えたい」ケアンズで出会った皆様が子ども達に与えてくれた影響は計り知れません。お世話になった皆様、本当にありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。離岸してマングローブと干潟を両眼に、浅瀬を避けて掘られた航路を航行中、海軍の船とすれ違いました。半旗掲揚と敬礼でご挨拶、あちらも挨拶して下さり、よい経験となりました。航路入り口の標柱を抜けパイロットが下船。いよいよ復路、通常業務に戻ります。残りの日数は、自分たちでできるようになること。先生や乗組員から注意されることなくできるように目指します。これは社会へ出る準備でもあると校長先生や船長からもお話がありました。どのようになっていくのか2週間後が楽しみです。さんご海に入っても凪良く、船酔いもなく順調です。日頃の行いが良いのか(?)、昨日、今日も予報では雨だったようですが、全く雨に濡れることなくスノーケリング・出港できました。海の神様、ありがとうございます。久しぶりの心地よい揺れ、よく眠れます。「さよなら、ケアンズ。また来ます。」


       朝のランニング

        岸壁で集合写真①


       岸壁で集合写真②

   フェンダー作業は任せて!

        出港直前の様子

   お見送りありがとうございました

   日本に向けて航海が始まります!

オーストラリア国際航海No.21

2015年11月6日 13時08分
2年生
平成27年11月5日(木)
 正午位置 ケアンズ(S16°-55.5 経度E145°-46.8)
 風向/力NNE/3  天候bc  気圧1012.6hPa 外気27.7℃ 水温28.2℃

絵文字:鉛筆
11月5日(木)指導教官の日報

実習20日目、ケアンズ4日目。今日はグレートバリアリーフ(以後GBR)でスノーケリング実習を行いました。朝はいつもより30分早く起きて、体操後に準備、朝食も予定時間より若干前倒しで、食べたらすぐに出発、という段取りです。ところが岸壁に集合してから「忘れ物をしました」「酔い止めをください」などと言うので、「話を聞いていない、自分勝手に考えて動いて集団行動を乱す、それでは困る。今日は若鳥丸ではなく他の船に乗る、スタッフの方々の指示をちゃんと聞いて動かなければせっかくの実習も台無しになる」と話しました。校長先生からも「安全が第一、楽しむところはしっかり楽しんできてほしい。」と話していただきました。その後の動きは良くなり、世界遺産に登録されているGBRでたっぷりスノーケリング実習を楽しみました。実習では33人の実習生を技量によって3つの班に分け、それぞれにインストラクターがつきます。技量のあるA班と苦手気味のC班には日本人スタッフが、平均的な技術のB班にはEnglish onlyのスタッフがつきました。C班には水が苦手な実習生もいて、初めはフロート(浮き)を持って泳いでいたのですが、途中からフロートが邪魔になって指導教官に渡すほど自分からすすんで潜ったり泳いだりしていたそうです。実際に海に出ると、プールでの練習ではできなかったことにも果敢に挑戦します。C班を担当してくださった方も、どんどん上手になっていく子どもたちを見てほめてくださいました。ホワイトチップシャークやナポレオンフィッシュ、ちらっとウミガメ、色とりどりの魚たちにサンゴ。日本海とはまた違った圧倒的な海の世界に、実習生はとても感動していました。塩分(口に入ったらむせるほどしょっぱい)や透明度、水色、水温、リーフが作り出す複雑な潮の流れなど、本や映像、海洋観測の数値などで「日本海とは全く違う」ということを知識としては持っていて、さらに、自分の体で実感することで、より学びが深化されていました。3年では沖縄で潜水実習もあります。3年間でいろんな海に行き、それぞれの良さを知り、それぞれの海域と人との関わり方や問題点も知る。本当に素晴らしい実習をさせてもらっていると感じます。実習生の日誌の感想も、いつもは5行程度ですが、今日は枠からはみ出すほどたくさん書いていました。天気も良く、透明度も良く、親切なスタッフの皆さんの協力を得て一生の思い出に残るようなスノーケリング実習となりました。若鳥丸帰船後は最後の班別研修。その前にお家の方からの手紙を受け取り、読んで涙している子もありました。明日はケアンズ出港。指示を出せばあとは自分たちで考えて動けるようになってきましたので、帰りの航海ではそれをもっと伸ばし、境港に帰る頃にはいろんな面で大人として見てもらえるようにがんばってほしいと思います。


    
 GBRIMCの施設見学        プールで実習         ようこそ若鳥丸へ!
 
    
   ブリッジ見学           一緒にポーズ!       みんないい顔!
  
     修行中?                   C班も楽しめました!
    
こんなにサンゴと近い!    お世話になりました!

オーストラリア国際航海No.20

2015年11月5日 12時51分
2年生
平成27年11月4日(水)
 正午位置 ケアンズ(S16°-55.5 経度E145°-46.8)
 風向/力NNE/3  天候bc  気圧1013.3hPa 外気27.4℃ 水温28.0℃

絵文字:鉛筆
11月4日(水)指導教官の日報

 実習19日目、ケアンズ3日目。朝の体操を岸壁で行い、埠頭を散歩。海軍の船やコンテナ船の横を通って芝生の公園へ。最後に船の前で馬跳びをしました。馬になる人は飛びやすいよう体の曲げ方を調節しなければならないのですが、数名ができませんでした。馬跳びをしたことがないのだそうです。そして今日はTAFEカレッジで船について学んでいる同年代の学生7名、先生方と交流会。午前中は彼らが実習や授業を受けているグレートバリアリーフインターナショナルマリンカレッジで見学・実習をしました。昨年もお世話になったブレント先生が施設を案内してくださいました。本校の舶用機関実習棟の小型船バージョン(わかたかと同じくらいのエンジン)機関始動・運転、発電機、船外機の分解組み立て実習や、小型船(クルーザータイプ)やゴム艇を操縦してグレートバリアリーフへ出たり、プールを船の舷に見立てて飛び込み、救命いかだを膨らまして乗り込んだり、8台同時に運航できる操船シミュレーターで操船の練習をしたりしているそうです。操船シミュレーターはそのシステム一つにブリッジにある全ての計器が備わっている他、港、海域、天候、時間帯、船舶の輻輳状況、海流、水深など様々な外的要素をコントロールできるとのことでした。タグボートシミュレーターでは画面が揺れると体が勝手に揺れ始め、まるでブリッジにいるようでした。また火災・浸水発生時の緊急対応訓練ができる施設もあり、学生だけでなく公官庁船や民間の船舶職員、港湾関係者等広く船の保安に携わる人も訓練をしています。実際の乗船実習では経験できない海難の状況を作り出して、トラブルシューティング・緊急対応ができる施設があり、とてもうらやましく思いました。その後プールで飛び込み実習。高さ約3mから深さ約3mのプールに飛び込みます。海に飛び込んだことがある実習生はいますが、プールは初めて。初めは少し怖がっていましたが謎のパワーで飛び込みはじめ、参加した全員が飛び込みました。ブレント先生が「彼らは机に向かって勉強するよりも実習が好きなんだよ」と仰っていたので「Same!!」と伝えました。昼食はBBQ、ハンバーグやステーキ、ソーセージなどとてもおいしくいただきました。

 午後からは若鳥丸の船内案内からスタート。案内係は実習生です。ブリッジでは皆さん意気揚々と当直をしたり舵輪を回したり、海図で境港からケアンズのルートを見たりととても楽しそうでした。生徒の部屋を案内すると、「とても狭いね!こうやって寝なきゃならないね!」と膝を抱えて寝るポーズをとっていました。通路に貼ってある写真を見て「いろんな海を実際に見れていいね」とも言っていました。TAFEの皆さんからすれば、実習専用の船があり、しかも日本から遠く離れたケアンズまで37日間の航海ができるなんて、なんてすばらしいんだ!ということだそうです。実際の体験に勝るものはない、と言っておられました。その後エンジンルームを見学してプロムードデッキへ。日本の武道紹介として空手道と弓道を紹介。2人ともとても格好良かったです!お菓子とジュースで歓談、おっとっとをつぶして食べるという新しい食べ方も生まれました。若鳥丸での滞在は2時間弱でしたが、午前の交流から一緒にいましたので最後の写真撮影ではみんなが笑顔になっていました。交流会が実習生にとって、TAFEの学生さんにとって貴重な経験となってくれたと思いました。その後の実習生たちの会話には「Thank you」「ok」がたくさん。英語を勉強する、というよりも肌で感じて表現方法の一つとして使う、というかんじです。お互い使っている言語が違うので、なんとか伝えたい、理解したい、という気持ちでやりとりをしていました。これぞまさにアクティブラーニング。「英語でもっと会話をしたい」という気持ちが次のステップに繋がるのだと思いました。

オーストラリア国際航海No.19

2015年11月4日 17時26分
2年生

平成27年11月3日(火)
 正午位置 ケアンズ(S16°-55.5 経度E145°-46.8)
 風向/力South/3  天候bc  気圧1014.2hPa 外気28.8℃ 水温27.6℃

絵文字:鉛筆
11月3日(火)指導教官の日報
 実習18日目、ケアンズ2日目。今日世界遺産にも登録されている熱帯雨林に囲まれた村、キュランダへ行きました。海から離れて山へ。スカイレールという最高545mまで登るロープウェイで山頂まで上がり、熱帯雨林を散策。眼下に広がる広大な森に感激していました。映画アバターの監督がこの森を見てインスピレーションを受けたとガイドさんから伺い、帰りの船内でアバターを見ようと思いました。レインフォレスト駅で降りて、動物園で50分動物とふれあい、コアラやカンガルー、ワラビー、ウォンバットの写真を撮りまくっていました。その後アーミーダックという第二次世界大戦で使用されていた水陸両用車で熱帯雨林を見学。1億2000万年前を越える遙か昔より存在している世界最古の森の中で、古くから続く複雑な生物どうし関わりとそこに生きる人の関わりを学びました。オプションツアーでは4種類のアクティビティを選ぶのですが、全員が「コアラを抱っこして記念撮影」を選びました。コアラを抱っこできるのはオーストラリアでも3つの州だけ、しかもこの先できなくなるかもしれないというガイドさんの一言が決め手となったようです。コアラを抱っこした後の実習生の表情といったら、もうほんわかしていて、実習の疲れが消えた表情をしていました。昼食はバイキング。野菜を食べなさい、食事を残しなんな、などと言われずに好きな物を思いっきり食べていました。キュランダ村では名物おじさんのアイスクリームを食べたり、アクセサリー屋さんへ行ったりとこれまた大きく羽根をのばしていました。ミーティングでは明日のTAFEカレッジとの交流について詳しく説明しました。


朝の体操後、ボードウォークを散歩

キュランダ高原へ出発!

レッドピークステイション

レインフォレストステイション

アーミーダック

オーストラリア国際航海No.18

2015年11月2日 17時07分
2年生
平成27年11月2日(月)
 正午位置 ケアンズ(S16°-55.5 経度E145°-46.8)
 風向/力NNE/3  天候bc  気圧1014.3hPa 外気27.8℃ 水温27.7℃
本日の午前8時45分にケアンズに到着しました。
多くの実習生が異国の地に初めて上陸することになります。
日本では味わうことのできない充実した寄港地研修になることを願っています。


絵文字:鉛筆
11月2日(月)指導教官の日報

 実習17日目、出港してから2週間が経ちました。本日8:45、全員事故なく、ケガなく元気でケアンズに到着しました。昨日の南西の潮はグラフトンパッセージを過ぎても続いていて、少し早めにパイロットステーション(水先人が水先要請船と合流して乗船するために設定された水域)に到着することを見越して、朝食、実習生のスタンバイも早くし、全員でパイロット(水先人)を迎えました。起床時に山々が見えたので「あれがオーストラリア大陸だよ」と言うと「オーストラリア大陸はでかいですね」と寝ぼけ半分で返答していましたが、いざパイラー(水先人)乗船となると目を見開いて「かっこいい!!」と喜んでいました。その後船長類型は船橋で入港の見学。少しでも舵を取り違えると浅瀬に乗り揚げてしまう狭い水路を通りますので、船橋は緊張感いっぱいです。当直者はブイの通過時間を海図に記入しながら周囲を見張っていました。海洋技術類型は左舷で行き違う船に大きく手を振ってご挨拶。後日お世話になるダイビングボートともすれ違いました。またNAVY(オーストラリア海軍)ともすれ違い、半旗と敬礼でご挨拶しました。船にはいろんな挨拶があり、言葉は通じなくてもこうしてお互いを尊敬し合う気持ちを表現することができます。あちらも笑顔で手を振ってくれて、貴重な体験でした。入港スタンバイがかかり、ここからはピリッと入港の顔。岸壁には校長先生がお出迎え、ありがとうございます。フェンダー作業も位置合わせが難しかったのですがやり遂げました。ここで実習生が「なんでケアンズのフェンダー作業はこんなに難しいんだろう?」と過去の水島、高知の時と比べて考えていました。綱を取るビットの間隔が日本とは違うこと、それに合わせた操船をするため、いつもとは違うので難しいことを話しました。また、「なんで日本のフェンダーはゴム製なのに、ケアンズは木なんだろう?」とか「なんでケアンズの船は双胴船ばかりなんだろう?」とか、『日本と違うこと』に気づいて考えている子もいて、こうした視点はやはり外国へ寄港しなければ持てないよなぁ、と思った次第です。本や映像でも疑問に思うかもしれませんが、自分で見て聞いて感じることが重要だと感じます。その国、その土地の自然や文化、環境に合わせた船、岸壁になっていることを学ぶ絶好の機会でした。無事、入港作業を終えて埠頭に響くほどの大きな声で「ありがとうございました!」と挨拶、すごいなぁ、と思いました。そして入国審査。イミグレイションでは税関の職員と対面してチェックを受けている最中緊張、終わるとほっとしていました。赤道祭で丸坊主にした実習生も無事通過しました。最後はみんなで「Thank you so much!」と挨拶。挨拶にかけては言うことなし!実習生の号令に任せておけば素晴らしい挨拶をしてくれます。昼食前に校長先生から「自然と一体になって航海をしてきたからこそ大きくなった」と言っていただき、昼食後はいよいよ上陸。13:30の予定でしたが、食当の片付けも部屋の掃除もとっとと終え、13:20より下船許可としました。三々五々街へ出て行き、大きく羽を伸ばしてきたようです。明日はキュランダ高原研修。世界遺産の熱帯雨林を見てきます。どんなことを感じてくれるのか楽しみです。



総航海距離 7472.82km

グランフトンパッセージからケアンズ

 朝のデッキウォッシュ入港前、念入りに

 待ちに待った入港です♪

 フェンダー作業おもて班

 位置合わせ、任せます

    初上陸だ!

上陸のときはいつも行列になる

  いってきまーーーす!!

   街のベンチで一休み

オーストラリア国際航海No.17

2015年11月2日 11時02分
2年生
平成27年11月1日(日)
 正午位置 さんご海(S14°-15.0 経度E148°-54.1)
 風向/力SE/5  天候bc  気圧1013.3hPa 外気26.5℃ 水温26.6℃
 
絵文字:鉛筆
11月1日(日)指導教官の日報

 さんご海へ入りました。昨夜からうねりを受けて船体は大きく揺れています。これまで凪だったので再び船酔い?かと思いましたが、みんな元気に過ごしています。今朝から船首にはオーストラリアの国旗が掲揚されました。オーストラリアへ入国する意志を示しています。位置情報の通知や、AISに出る船舶情報の目的地、VHFで聞こえるやりとり、鳥の群れなどなど、ケアンズを近くに感じています。学習・作業班も各部屋と船内の大掃除をして、入港に備えました。昼過ぎから東オーストラリア海流にのったのか、SWの潮を受けて速力も速くなり、13ノット代で走っています。これまでこんなに潮にのることはなかったと伺いました。今航海全体的に速力が出ているので、船底の付着物が少ないことが影響していると考えられます。 

今日の食当はあの4号室。罰直以降3人の絆は深くなり、互いに起こしあったり、声を掛け合って掃除や食当をするようになりました。2週間というぼーっと過ごせばあっという間の時間ですが、船に乗ると今までできなかったことができるようになっていきます。学校にいる海洋科の先生からのメールも全員の前で読み、これまでの実習生が培ってきた信頼を崩さないよう、もう一度念押しをしました。それを聞いてある実習生は、「できている人はできていない人を心の中で『なんだあいつまた怒られているのか』などと思うのではなく、自分も同じようなことをしているのではないか、と思ったり、他の人がきちんとできていないのならできている人が注意したりすることが大切だとわかりました。」と書いていました。素晴らしいと思います。こういう気持ちで周囲が動いて、もっともっとみんなが成長していく。そんな期待が持てるケアンズ入港前夜となりました。


 揺れの中、階段を洗います
 
        SWの潮流に乗って、速力13.1ノット

位置通報のための推測位置を出した生徒の感想

オーストラリア国際航海No.16

2015年11月1日 10時55分
2年生
平成27年10月31日(土)
 正午位置 ジョマード水道通過(S11°-41.2 経度E151°-37.4)
 風向/力SSE/4  天候bc  気圧1012.3hPa 外気27.8℃ 水温27.3℃
 
絵文字:鉛筆
10月31日(土)指導教官の日報

のソロモン海を抜け、明け方ジョマード水道を通過しさんご海へ入りました。ケアンズ入港時間に調整するため、8:30~18:30まで漂泊。台風をかわして予備の時間を使ったと思いきや、速力が出てだいたい例年通りの時間です。20:26南緯12°のMASTREP Line(ここを通過後は海難に遭った場合、オーストラリアから救援が来てくれます)を通過し、針路はケアンズに向けて227°にとっています。実習生が舵を取らせてもらっていました。海洋技術類型の実習生も当直で、エンジンがかかった音や走り出した時の音など、機関室でどんなことをしているか想像しながら音の観察をしていました。ミーティングでも話すのは入港に関する注意事項ばかり。船外投棄禁止、船橋での入港手続き等の業務の邪魔にならないようにする、部屋の掃除とゴミの分別のこと、ゴミの減量、節水、ケガをしないように、体調管理をしていこう、疲れを残さないようにしよう・・・日々の生活で言われていたことはすべてこのケアンズ入港につながっていて、上陸許可が出るよう生活していかなければせっかくの寄港地活動ができなくなる、と話しています。実習生の日誌には「ケアンズまであと2日!」「楽しみ!」という言葉がたくさん書かれています。昨日・今日と海洋技術類型は6級海技士の練習問題テストを行い、全員合格しました。あとは全員が出港から明日までの実習日誌を書くことが条件です。こうでもしないと日誌を書かない子がいるので条件としています。みんな元気です。



ジョマード水道通過。沈没船が見える?

     朝のデッキウォッシュ

英語の先生が作ってくれた動画、英会話レッスン