卒業式式辞
令和6年度 卒業式 式辞
早春を迎えた今日の良き日に、PTA会長濱田 伸 様、勝田ヶ丘同窓会会長 松村 順史 様、灯陵会会長 野口 敦照 様をはじめ多くの来賓の臨席を賜り、卒業式が挙行できますことを、高いところからではありますが、心から御礼を申し上げます。
卒業生の皆さん、そして、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。全日制課程269名、定時制課程8名の皆さんは、米子東高等学校での全課程を修了し、本日、ここに卒業を迎えました。
高校生活での多くの出会いや様々な体験など、本校での思い出が一人ひとりにあることでしょう。この3年間、皆さんは主体的に活動に取り組み、充実した時間を過ごせたのではないでしょうか。
定時制課程では、生徒会が企画して、球技大会を実施するなど、自分達で考えて行動し、学校生活に取り組みました。また、バレーボール、卓球で全国大会出場を果たしました。夜間での学校生活に地道に取り組んだ成果が、この卒業につながっています。今後も自分自身の目標に向かって努力し、社会に貢献してください。
全日制課程では、「打って出る」のスローガンのもと、積極的に自らの課題に取り組みました。科学の甲子園には4年連続出場を果たしました。スーパーサイエンスハイスクール指定は、2期通算8年目となり、学会や発表会に、のべ1001人が参加し、29人が上位の成績を収めました。
部活動においては、今年度全国大会に運動部では7部22人、文化部では7部106人が出場し、大いに活躍しました。特に、国民スポーツ大会セーリング競技において優勝し、祝勝会で凱歌「松の緑」を全校生徒で歌い、栄誉を称えたことは本校の素晴らしい歴史と伝統を改めて感じる瞬間でした。同時に、自分達も頑張らなければと思えたのではないでしょうか。このように、皆さんは校訓である「質実剛健」、校風である「文武両道」の精神を見事に実践し、後輩たちに引き継ぐことができました。
私は、「高い志」を持って何事にも取り組んで欲しいと機会あるごとに言いました。将来の職業を目指すだけではなく、自分がそこで何を成し遂げたいのか、何のためにやりたいのかを考えることが大切だと考えているからです。
3年前、皆さんの入学式でフレンチレストランのオーナーシェフである「岸田周三」さんの話をしました。岸田さんは、「料理の限界に挑戦」し成功を収められている方です。そして2年前に全日制課程の生徒にはオンラインではありますが、岸田さんの講演を聞いてもらうことができました。私は、何事にも一流になる人は「努力の仕方が違うこと」、成功するために「何のあてもないのに料理の本場フランスに行って修行し、無謀かもしれない挑戦をしたこと」が、印象に残っています、皆さんはどうでしょうか。
入学式でこの方を紹介したのは、将来みなさんが何を目指すにしても、努力することや目的を見つけて欲しいと考えたからです。そして、講演会を通じて、本物を感じて欲しいからです。オンラインではありましたが、実際に本人の話を聞けたことはその人の人となりを感じることができたのではないでしょうか。世の中が発展し、実際に行かなくても映像で世界中を知ることができる時代ではありますが、皆さんは、自分の目で見て、耳で聞いて、身体で感じて、体験することを大切にしてください。体験の中にこそみなさんが成長する機会が多くあります。高校生活を通じて多くの人に出会い様々な体験をして成長されたことをもう一度振り返ってみて、卒業後のさらなる成長と挑戦につなげてください。
みなさんは、いずれ、自立して社会で生活します。それまでに、いかに失敗を恐れず、挑戦できるかが重要です。努力なく挑戦をすれば「無謀」ですが、努力がある挑戦には必ず成果があります。すぐに成功は得られないかもしれませんが、必ず自分自身に納得することができます。
将来の自分はまだ想像できないかもしれませんが、高校生活の3年間の成長とその後の挑戦が皆さんの目標を実現させてくれます。そして、今後のよりよいよい社会を実現していくために、自分の可能性を信じて、自分の夢に向かって、具体的に努力し続けてください。
皆さんの前途には輝かしい未来が待っています。そして日本、世界に貢献する人財となり、戦争のない平和な社会を実現してください。そのためには、「高い志」を忘れないでください。
最後になりましたが、保護者の皆様には、本校の教育活動にご理解、ご協力、ご支援をいただき、本当にありがとうございました。そして、今後も米子東高等学校を応援していただき、ますますの発展を見守っていただきますようよろしくお願いします。
皆さんの前途を祝し、今後のさらなる御活躍を心から祈念して、式辞といたします。
令和7年3月3日
鳥取県立米子東高等学校長 田辺 洋範