日誌

日本史の授業で絵巻物を鑑賞しました

2019年11月21日 16時55分

 11月21日(木)の3限目、ステージ2の日本史Bの授業で絵巻物レプリカを活用し、鎌倉時代の美術について学びました。

 紹介した絵巻は『因幡堂縁起絵巻』です。京都の因幡堂は鳥取から飛来したと伝えられる薬師如来像を本尊とするお寺で、この絵巻は本尊による奇跡を伝えるものです。

 中世以降、寺社は信者を獲得するため、参拝者に絵巻を見せ、そこに描かれた本尊や祭神の霊験を解説しました。これを「絵解(と)き」といいます。今回、生徒たちには「絵解き」を体験してもらいました。

 絵巻物は、ストーリーを記した「詞書(ことばがき)」と絵から成り立っていること、文字が縦書きのため、画面の右から左へ物語が進行すること(時間軸では左側が未来、右側が過去となること)、場面を区切るために霞や樹木が描かれることなど、絵巻の表現方法について説明しました。
 こうした表現方法が現在のマンガのコマ割りなどのページ構成、アニメの演出にも影響を与えていることに、生徒たちは気づきました。

 最後に絵巻の扱いを体験しました。筍のようにならずに、きれいに巻きながら鑑賞するのは結構たいへんです。
(今回、活用した『因幡堂縁起絵巻(因幡堂本)』レプリカは鳥取県立博物館から借用しました。)