2年生
生徒たちは、船内生活にも随分と慣れ船酔いも無く順調に過ごしています。ケアンズ入港が近くなったせいか入港後の買い物等に興味津々のようです。
10月29日(水)の正午の状況<錨泊中>
航海距離2758.2miles、速力drifting、 針路、 風向WSW、風力1、天候雨、
気圧1011.4hPa、気温25.3℃、水温29.8℃、風浪4
【10月29日(水)の日報】
本日は朝から強い雨が降っており、体操とデッキウォッシュができませんでした。さらに、午前中に海洋観測を予定していましたが、大きなうねりがあり、激しい揺れと強雨により海洋観測は中止としました。ケアンズから日本に帰るときに、赤道付近と黒潮海流付近で海洋観測をする予定が入っていますので、その時に海洋環境について学習します。 生徒と話をしていると、ケアンズのお土産の話やおすすめの店の話など、ケアンズに関する事が増えてきました。だいたいの生徒が、買うお土産を雑誌で見て決めているようです。また、両替や英会話などをあまり不安に感じていないようです。英語の授業でALTの先生と会話し、ケアンズでの英会話に自信を持っているのでしょうか。私自身は年々英単語も忘れ、英会話に自信がなくなってきています。買い物くらいは大丈夫ですが、前回ケアンズに行ったときは、生徒が財布を落としたり、携帯を失ったりとオーストラリア人に私が英語で事情を説明することになり大変でした。今回はトラブルが無く、無事に寄港地活動ができればと願っています。
風邪気味の生徒は3名です。オーストラリア入国を控えているので、体調を整えておきたいところですが、なかなかそうはいかないようです。風邪薬で対応しています。船酔いの方は無く元気です。
冷凍機の学習(機関長講義)

夜の自由行動(生徒食堂)
2年生
これまでの航海が順調に進んでいたため、本日は時間調整の漂泊をしています。
昨日の赤道際では、大変盛り上がったようです。詳しくは日報をご覧ください。
10月28日(火)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離2528.2miles、速力12.0kt、 針路147°、 風向South、風力4、天候雨、
気圧1009.7hPa、気温27.9℃、水温29.8℃、風浪4
【10月28日(火)の日報】
昨日の夜は急に荒れ模様となり、風速15mの強風を真横から受ける形となり、若鳥丸はずっと左に傾いた状態で走りました。そのせいで船酔いに逆戻りする生徒もいました。今朝は昨夜の強風の影響で、真横から大きなうねりをうけ、大きく左右に揺れました。ある生徒は「赤道付近は無風地帯って習ったのにどうして?」と不思議そうにしていました。私も今までの経験上、赤道付近では鏡のような海面だったので、初めての経験です。「こんな中で赤道祭ができるのだろうか?」とかなり心配しましたが、昼過ぎあたりからうねりがなくなり、安定した海況となってきました。しかし、今度は周囲に雨雲が多く出始め、雨の恐れがでてきました。船の周囲を見渡すと、いたるところで雨が降っており、雨に降られるのも時間の問題かと思われましたが、当直をしていた二等航海士はレーダーで周囲の雨が降っている場所を確認しながら雨の降っていないコースを探し出して操船してくださいました。おかげで、雨に降られることなく赤道祭を無事に始めることができました。 赤道祭は大成功に終わりました。生徒たちが、赤道祭を盛り上げようと、司会役の生徒やネプチューン役の生徒2名など、重要な役割の生徒が一生懸命がんばっていたからだと思います。班ごとの余興も盛り上がりましたが、何と言っても生徒同士の腕相撲トーナメントと、船員さんVS生徒のエキシビジョンマッチです。上位3名までの生徒は豪華賞品がもらえました。この航海前に差入れをして下さった先生方、本当にありがとうございます。
今回の赤道祭がとても盛り上がった理由がもう一つあります。それは、今年度から若鳥丸専用の音楽も再生できるマイクとアンプを購入していただいているからです。そのため、司会のマイクパフォーマンスとBGMが絶妙にからみあっていました。音響を担当してくださった通信長、本当にお世話になりました。乗組員の方からも「今年の赤道祭は今まで以上に盛り上がってたね」と言っていただきました。生徒の日誌の感想には、「思っていたよりも赤道祭が楽しかった」「ストレス解消できたので、ケアンズまでの当直や学習をがんばれそう」といったものがありました。明日から気持ちを切り替えて、実習に真剣に向き合い、今まで以上に充実した実習にしてほしいと思います。
写真を見るには続きを読むをクリックしてください。
2年生
いよいよ本日夕刻には赤道越えるようです。日本国内数々の水産高校の練習船の中で唯一赤道を越える若鳥丸は今日も順調な航海を続けている模様です。
10月27日(月)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離2229.2miles、速力12.5kt、 針路147°、 風向SSW、風力3、天候曇り、
気圧1008.6hPa、気温28.5℃、水温30.0℃、風浪3
【10月27日の日報】
現在、船内の時計は日本よりも1時間進んでいます。起床が船内の時間で5時45分なので、日本時間では4時45分になります。私たちは毎朝とても早起きをしていることになります。この時間の差にまだ慣れていませんが、もう数日で慣れると思います。日本に連絡する時は、この時差に気を付けなければいけません。学校に連絡する場合も、船内の時間を基準に「今、学校は昼休憩だから大丈夫だろう」と思って電話をしても、まだ3限目の授業中ということもあります。我々、指導教官も自分の時計を1時間進めることに苦労しました。私はいろいろ試行錯誤の末できたのですが、もう一人の指導教官はお手上げのようでした。しかし、メカに強い生徒が5分程で時計の針を進める方法を見つけ出しました。
明日はいよいよ赤道祭を行い、みんなで盛り上がりたいと思います。ネプチューン役を務める生徒2名も、先ほど学習室で小道具を作成していました。今年はどんな赤道祭になるのかとても楽しみです。

船内清掃(生徒トイレの床磨き中)

機関当直の引継ぎの様子
2年生
明日には赤道を超えるようです。生徒たちは赤道祭に向けて、準備を着々を進めているようです。
10月26日(日)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離1948.2miles、速力12.2kt、 針路151°、 風向ESE、風力2、天候晴れ、
気圧1010.2hPa、気温29.5℃、水温30.2℃、風浪3
【10月26日(日)の日報】
今日は風も弱く、太平洋に出てから最も凪の日となりました。相変わらず海鳥が船に棲みついているため、デッキウォッシュが大変でした。もしかすると、このままケアンズまでついて来そうな気がします。海が穏やかになり船の生活に慣れたため、生徒たちは体をよく動かしています。デッキでは、筋力トレーニングでダンベルを上げたり、懸垂をしたりしています。また、通信長のアドバイスだと思うのですが、逞しい肉体には黒い肌ということで、服を脱いで強い日差しを体中に浴びています。学習室ではランニングマシーンで体力の維持を図っています。境港に帰港する頃には、精神面だけではなく、肉体的な成長も見てもらえるかもしれません。
航海期間が1週間を超え、生徒もストレスが溜まってきているようです。筋力トレーニングなどで体を動かしてリフレッシュできればよいのですが、そうでない生徒は言動が少し攻撃的になっているように感じます。実際に、当直中の話を聞く態度が良くなかったため、注意を受けた生徒もいます。知らないうちに、イライラする気持ちを人にぶつけてしまいがちですが、明後日には日頃のうっぷんを発散できる赤道祭があります。しっかりと自分をコントロールして、船内で皆が気持ちよく過ごせるように意識して欲しいと思います。

ランニングマシーンでトレーニングしています!

機関長の講義
2年生
10月25日(土)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離1670.6miles、速力12.0kt、 針路165°、 風向ESE、風力4、天候曇り、
気圧1011.5hPa、気温29.6℃、水温30.0℃、風浪4
【10月25日(土)の日報】
今日で出港してから7日が経ちました。これまで経験した航海実習は7日間が一番長いため、明日からは未知の期間ということになります。しかし、不思議なことに昨日まで「境港に帰りたい」と言っていた生徒が「早くオーストラリアに着いてほしい」と言うようになりました。やはり、半分まで来たことや日本の領海を出てグアムを通過したことにより意識が変化してきたのでしょうか。ケアンズという魅力的な寄港地に行けるからこそ、希望をもって航海実習ができることに感謝したいと思います。 さて、本日は船長コースは船長講義を、海洋技術コースは機関長講義をしていただきました。船内で生活していること、当直に入って色々な計器や装置に触れているため、講義の内容が経験を伴うものが多くなっています。そのため、これまで以上に専門科目への理解を深めることができました。船長からも、「講義を受ける態度がとても良かった」と褒めていただきました。生徒の感想には、「船長、機関長に講義をしていただいてとても勉強になった」とありました。実習をおこなうことで感じた色々な船に関する疑問を講義の中でぶつけて、さらに船に関する興味・関心を高めていってほしいと思います。生徒の体調もよく皆元気です。

早朝のデッキウオッシュを終えた一時

船長講義の様子
2年生
10月24日(金)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離1382miles、速力11.6kt、 コース165°、風向SE、風力4、天気晴れ、気圧1012.3hpa
気温29.3℃、 水温29.6℃、風浪4
【10月24日(金)の日報】
今までは、風がほとんどなかったのですが、今日は強く吹いています。海は今までのうねりに加え、白波がたっており、船体は大きく傾いたり小刻みに揺れたりしています。それでもほとんどの生徒は揺れに慣れているので平気そうです。1名だけが相変わらず船酔いに苦しんでいます。彼は今日が食事当番だったのですが、船酔いで十分な仕事ができないため、2名の生徒が食事当番の助っ人に入りました。彼らは船に強く、いつも食事は完食ですし、とても頼りになります。今の生徒たちのブームは腕相撲です。赤道祭で行う腕相撲大会に向けて、ダンベルで腕の筋肉を鍛えている生徒もいます。私にも「先生、腕相撲で勝負しましょう」とよく誘われます。連日生徒の腕相撲の相手をしたため、右腕がとても痛いです。また、生徒の日誌を見ると、「早く家の布団で寝たい」という感想を多く見ます。「慣れた枕と布団で寝たい」「揺れない場所で、寝返りをうちたい」という生徒の気持ち、よくわかる気がします。4回目の航海実習とはいえ、不慣れな環境でよくがんばってくれています。今日の昼食ではウナギがでました。ウナギで栄養を十分つけて、体調を整えてもらいたいものです。

船橋当直の引継ぎ

昼食にウナギが出た! う、うまい!
2年生
若鳥丸は現在マリアナ諸島沖合を航行中です。
ART(アンチローリングタンク)という横揺れを減らす装置を作動し始めたので揺れが少し治まりました。また、海況も天気も良く、船酔いもほとんどが回復している様子です。
10月23日(木)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離1109.4miles、速力12.3kt、 針路165°、 風向East、風力3、天候快晴、
気圧1013.8hPa、気温26.7℃、水温28.5℃、風浪3
【10月23日(木)の日報】
昨日からアンチローリングタンクを作動させているため、左舷側からのうねりが続いていますが大きな横揺れはありません。ほとんどの生徒が船酔いから回復し、船内での当直や学習ができるようになってきました。横揺れが40%軽減されているということをありがたく思います。ただ、風邪気味の生徒が少しずつですが増えています。船酔いで体力が落ちたことや、室温が低めになっているのに着衣で調整ができていなかったことが原因として考えられます。うがいや手洗いを励行し、風邪が広がらないようにしたいと思います。
朝の体操をしているとき、東側に背の高いおにぎりのような形の島が見えました。南硫黄島です。生徒も「戦争の映画になった島じゃないですか」と、硫黄島の名前は知っているようでした。昨日離したはずの海鳥ですが、今日は5羽に増えていました。おかげで、デッキすりできれいにした場所が、また糞だらけになっていました。鳥を観察していると、高いマストにとまっていれば海のようすがよく見渡せて、魚を見つけると飛んで行って海に飛び込んで魚を食べ、また戻ってきています。飛ばなくても魚を探せる便利な場所のようです。どこまで若鳥丸についてくるのでしょうか。

朝のデッキウォッシュ

マストにとまり続ける海鳥
2年生
日本は朝晩寒くなって、秋から冬へと移り変わっていきますが、若鳥丸が航行している海域では夏のような日差しになってきたとのこと。生徒達は船酔いからも回復し、今日も実習に励んでいます。
10月22日(水)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離814.63miles、速力11.2kt、 コース165°、風向SE、風力3、天気晴れ、気圧1014.7hpa
気温25.1℃、 水温26.0℃、風浪3
【10月22日(水)の日報】
今日は、この航海で初めて朝のデッキウォッシュを行うことができました。その時に困ったのが、やたらと鳥の糞がデッキに落ちていることでした。昨日くらいから2羽の鳥が船にとまったり飛び立ったりを繰り返して、大量の糞を落としています。鳥の種類を調べるのに、図書館司書さんが選んでくださった「鳥の図鑑」がとても役に立ちました。鳥の種類は「アカアシカツオドリ」でした。これ以上の糞害は困るので、マイクで声を出して驚かしたり、汽笛を鳴らしたりしましたが効果がありません。最後は、船員さんが鳥が好んでとまっていた場所に工夫をして、船から離れてもらいました。
夜になり、通信長から「今日は最高の星空ですよ」と教えていただいたので、生徒とコンパスデッキで天体観測をおこないました。一番印象的だったのは、天の川の美しさです。星の解説をしてくださった船長、ありがとうございました。生徒たちも「すごくきれい!!」、「また流れ星が見えた!!」などと大興奮でした。太平洋の真ん中でしか見られない満天の星を見ることができ、とても満足できたことと思います。船酔いの生徒もほとんど回復し、食べ物が食べられるようになってきました。

発電機切り替え

本日のデッキすり
2年生
日本海とは違う太平洋の波と揺れ、それに伴う船酔い・・・苦しみながらも当直や作業をがんばっています。これからは徐々に海況も良くなっていくことと思いますので、もう少しの我慢です。
10月21日(火)の正午の状況<太平洋を南下中>
航海距離546.3miles、速力11.2kt、針路149°、風向SSE、風力4、天気晴れ、
気圧1018.6hpa、気温24.7℃、水温25.4℃、風浪3
【10月21日(火)の日報】
今朝も相変わらず大きな揺れの中で始まりました。昨日から始まった太平洋での周期の長い揺れです。今日は若干ましにはなったものの、縦揺れが大きいため、一瞬体が浮くような感覚に襲われます。朝の6:00になると船橋当直が終わった生徒がブリッジから降りてきましたが、船酔いで青白い顔をしていました。
今日は、機関当直で造水装置の運転と燃料油清浄機の整備を行いました。造水装置は海水から真水を造るためのもので、砂やフィルターで異物を取り除き、さらに逆浸透膜を通して塩分を抜きます。機関当直の生徒は、一等機関士から操作手順や原理などを詳しく教えてもらっていました。燃料油清浄機の整備は生徒自身が行い、燃料油から分離したスラッジ(汚れ)をヘラで取り除く作業を行いました。甲板部はデッキすりを行い、丁寧にデッキをこすって汚れを落とす作業を行いました。船が大きく縦に揺れるため、下を向きながら作業をしていると気分が悪くなり、嘔吐袋が手放せない生徒たち。そんな中でも、がんばりを見せていた2名の生徒がいました。今後もみんなをどんどんリードして欲しいと思います。

燃料油清浄機の整備

デッキすりの作業