One for all All for one

2019年11月6日 15時26分

     ラグビーワールドカップ日本代表選手の熱い戦いに、日本中が燃えました。にわかラグビーファンの私も、ラグビーの面白さに魅せられ、熱くなりました。それにしても、ラグビーには個性的な選手がそろっています。素早くすり抜けて走りトライを決める選手、がっちりとした体格で相手を押しのける選手、正確にキックをし得点を入れる選手、華麗なパス回しでボールをつなぐ選手。どの選手も魅力的です。ラグビーは、ポジションで役割が異なるので、どのポジションの選手が欠けても勝利することはできません。

  大きな体の選手たちがスクラムを組んでボールをとる。それを小柄な選手が絶妙なタイミングで後ろにパスを出す。パスを受けた足の速い選手がタックルされたときのために、体の大きな選手が全力であとを追う。こうして一人ひとりがその役割を果たすことで、勝利を手にすることができます。
 そのため、仲間を守るために躊躇している暇もないし、そこに見返りを求めている余裕もありません。ラグビーをプレーしている人はこれを心の底から理解しているから、自分のためではなく常に仲間のために無心でプレーします。その気持ちや姿勢がメンバーの心を互いに前に動かし、時には勇気を与えて行くのです。

 「自分の勝利はみんなの勝利。みんなの幸せが自分の幸せ。」     

こんなふうに思えるようになったら、素敵な大人になっていけると思いませんか?                 (五郎丸歩の言葉より)

 
    ラグビーの言葉に 『One for all, All for one』があります。意味は、

 一人はみんなのために、みんなは1つの目的のために

 
 郡家東小学校の学校教育目標に「志を立て」とあります。自分のよさを生かし、世のため人のためになる生き方を志してほしいという願いを込めています。これは、ラグビー精神そのものです。
 郡家東小学校は、特別活動に熱心に取り組んでいます。令和元年度の全国学力学習状況調査では、「学級みんなで協力して何かをやり遂げて、うれしかったことがありますか。」という質問に対し、本校児童は肯定的な回答が100%と、全国平均を15.9ポイント上回っています。自分の役割を果たし、みんなと喜び合う場が様々あることが特別活動の素晴らしさです。



      校長 安住 順一


 

段取り力

2019年10月1日 08時16分

   2学期になっても真夏日が続きました。歩いて登校する児童は、学校へたどり着く頃には汗が流れています。
 昨年までは、暑い教室で学習していたので、集中力が途切れていたのですが、今年は違います。エアコンを整備していただき、快適な教室で集中して学習に取り組むことができるようになりました。業者の方が、2学期の始業式に間に合うように段取りよく作業を進めてくださったおかげです。作業工程をどのように配置すれば効率よくできるか知恵を絞られたようです。その段取り力に感謝です。

 段取りと言えば、子供の頃の風呂焚きの手伝いを思い出します。太い薪を両端に置き、その間に杉葉と細い枝を組み合わせて並べます。よく燃えるように、空気の通り道を確保します。燃え始めてから何をどんな順に入れるのかも工夫が必要です。
 どんな仕事を進めるにも段取りは大切です。家事の手伝いは段取り力を鍛える絶好の機会です。お子さんに、ぜひ家事の手伝いを!!

 学校では、子供たちは、学級会や児童会で集会を企画・実行したり、みんなで作品(学級旗など)を製作したりします。それらを成功させるには、段取りが必要になります。何をいつまでにやるのか、誰が何をやるのか。このようなことを考え、話合いをし、実行することで生きる力が培われます。
 本校では、特別活動を全校で推進しています。そのことにより、子供の段取り力が向上しています。
 6年生は1学期に大なわチャレンジ(1組)や夏祭り(2組)を企画、実行し、低学年を巻き込んでの活動を行いました。そのイベントに向けて、グループごとに具体的な計画を立て、実行しました。実際に行うことによって多くの学びがありました。その過程で段取り力がつきます。児童の振り返りを紹介します。

○1年生を喜ばせるために、事前準備をしっかりすることができ、自分の
   役割を果たせたのでよかったです。
○みんなと協力して何かを成功させる力がつきました。
○Aさんが、途中で助っ人に来てくれたので、助かったし、うれしかった
   です。
○一人一人が自分で行動し、人のことを考えて行動できるクラスに成長で
   きました。
○この企画を通して思ったことは、「喜び」です。みんな喜んでくれて、
   それを見るとなぜか自分もうれしくなりました。

  校長 安住 順一



 

夏休みも4つの「あ」

2019年7月17日 16時03分

 「四季おりおりの花咲きて 香りも高き学び舎に」は、校歌の一節です。1学期は、桜から始まり、藤、紫陽花など、おりおりの花を楽しむことができました。さらに、先日、おじいの会の皆さんが、4年生と一緒にカエデの植樹をしてくださいました。秋には、美しいカエデの紅葉を愛でることができるようになります。ありがとうございました。
 新しい歴史を自分たちでつくろうと張り切った春の運動会、6年生が全校をリードし盛り上がりました。また、クラス自慢集会やフレンド集会など、全校での楽しい思い出もできました。各学級ではクラスの旗をつくったり、集会をしたり、学級をよくする自主的な活動が活発に行われました。各委員会からも学校をよくするための提案が様々出されました。輝く瞳がたくさん見られた1学期でした。

 さて、いよいよ楽しい夏休みが始まります。夏休みにもぜひ、
合言葉4つの「あ」を家庭で取り組んでいただければと思います。


 「ありがとう」 「ありがとう」と感謝し、「ありがとう」と感謝
        される。感謝の思いをたくさん伝え合いたいもの
        です。                     
  「あいさつ」  進んであいさつをして、周りを元気にしてほしい
        です。 
  「あんぜん」  野外での活動も多い夏休みです。
          自分の命は自分で守ります。
  「あとしまつ」 靴をそろえる、後片付けをするなどたくさんあり
        ます。   

 夏休みは家の仕事を手伝い、家族から「ありがとう」と言ってもらえる絶好の機会です。家事には、「あとしまつ」に関わる仕事がたくさんあります。例えば、玄関を片付ける、風呂掃除をする、洗濯物をしまう、食事の片付けをするなど。
 家族の一員として役割を果たし、「ありがとう」がいっぱいの夏休みになることを期待しています。

  校長 安住 順一


生活をつくる

2019年6月28日 08時42分

      ゴールを決め、サッカー日本代表のワールドカップ初出場を導いた男として記憶に残る岡野雅行さん。(ガイナーレ鳥取代表取締役GM)
 でも、岡野さんのサッカー人生は決して順調ではありませんでした。サッカー大好き少年だった岡野さんが入学した高校にはサッカー部がなかったのです。ショックを受けますが、「ないなら自分でつくろう」という前向きな心で、部員を集め、サッカー部をつくり、チームを強くしました。
 岡野さんの著書『サッカーをあきらめない』には、挫折や苦労を味わいながらも、サッカー部のない高校から日本代表へたどりついた岡野さんの力強い道のりが描かれています。「ないなら自分でつくろう」と主体的に人生を切り拓く姿に共感します。
 
 郡家東小学校は、特別活動の研究を推進して6年目になります。児童は自分たちでよりよい学級生活、学校生活をつくろうと活動しています。自分のよさを生かし、みんなのために進んで行動することで、人の役に立つ喜びを味わいます。そこには、感謝の気持ち「ありがとう」が生まれます。
 特別活動の成果として、自己肯定感、挑戦意欲、協働性などが向上し、温かい人間関係が築けるようになってきました。今では、学校生活の問題を発見し、提案し、解決に向かう姿も少しずつ見られ出しました。自分たちで主体的に生活をつくっていこうという姿が見られ出したのです。
 春の遠足は、予備日も雨になり中止になりました。そのとき6年生が、遠足に替わるイベントを計画し、「ぜひ、やらせてください」と提案してきました。そして、全校児童が楽しめるイベントを実行してくれました。提案し、自分たちで生活をつくるのは楽しいものです。やらされてやるのではなく、自分たちのやりたいことをやることで、
さらに意欲が高まります。
 各学級に提案カードがあります。学級生活をよくすることを提案し
ます。「みんなでやってみたいこと」や「みんなで解決したいこと」
などを提案するのです。学級会で話し合うこともあれば、係や委員会
にお願いすることもあります。
 さらに、今年度は委員会の組織を改革し、より創造的な活動ができるよう編成しました。各委員会から学校をよくするための提案が様々出されています。
 先日の代表委員会は、企画委員会と新聞委員会が中心となって、進めました。学校の新聞をつくるにあたって、1学期の思い出の中からどんな記事を掲載するかを話合いました。話し合いの勉強に来ていた4年生もおり、多くの意見が飛び交う活発な代表委員会となりました。郡家東小学校のよさが満載の「東っ子新聞」ができあがりそうです。
 郡家東小学校の学校経営の重点の一つは「温かい人間関係でつながる主体的、自治的な集団の育成」です。よりよい生活を自分たちでつくれる子供をめざしています。自治的な集団に少しずつ近づいています。

  校長 安住 順一

あるがままの自分を受け入れる

2019年5月30日 09時02分

 人気漫画「ワンピース」の大きなテーマは、仲間たちとの友情です。「最も多く発行されたコミック」としてギネス世界記録に認定されています。(全世界累計発行部数4億5,000万部) 
 そのワンピースのエピソードを全校朝会で話しました。

 
 魚人の海賊アーロンと闘っているときの主人公ルフィの言葉です。

 ルフィ 「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある」
     「俺は剣術も使えねェんだ」 (剣術ができるのは?)→(ゾロ)
     「航海術も持ってねェ」     (航海士は?)→(ナミ)
     「料理もつくれねェ」           (料理人は?)→(サンジ)
アーロン 「そんなプライドもクソもねェ てめェが一船の船長の器か?」
     「てめェに一体何ができる?」
ルフィ     「お前に勝てる!」

 ルフィは、助けてもらうばかりでなく、できることもいっぱいあります。仲間を命がけで助けます。アーロンを倒し、ナミを守り、村人を救いました。一人一人違うから助け合えるのですね。
 だれにも苦手なことがあります。うまくできないこともあります。そういうときには助けてもらえばいいんです。そしたら、何て言いますか。「ありがとう」ですね。みなさん、得意なこともあるでしょう。だれにもいいところがあります。それで、助けてあげるのです。そしたら、返ってくるのは・・・そう、「ありがとう」ですね。

 郡家東小学校の学校教育目標に「志を立て」とあります。志を立てるとは自分のよさを生かし、人の役に立つ人間になることです。役に立つ幸せ、喜んでもらう幸せを味わいたいですね。その時にもらえるのは、「ありがとう」です。郡家東小学校のめざす子供の一つは「つながる子」です。温かくつながり、「ありがとう」がこだまする学校にしていきましょう。 

 自己肯定感とは、長所も欠点もある、ありのままの自分を丸ごと認めて、自分は価値のある人間だと思える気持ちです。ありのままの自分を認めて、自分のことを好きになるのです。
 自分に価値を見いだせない人は、相手の価値も見いだせません。
自分のことを好きで大切にする子供を育てていくことは、認め合える
子供を育てていくことになります。
 特別活動を全校で推進したことにより、本校の児童の自己肯定感は
高まっています。自分も仲間も大切にして、ますます「つながる子」
を育てていきます。

  校長 安住 順一

幸せになるために生まれた

2019年4月25日 15時30分

「みなさんはこの世に何のために生まれてきたのか考えたことがありますか。」
こんな問いで全校朝会を始めました。
「幸せになるために生まれてきたのですよ。」
 そして、3つの幸せの話をしました
  「してもらう幸せ」 「できる幸せ」 「喜んでもらう幸せ」
 「してもらう幸せ」のことを考えると感謝の気持ちが生まれます。そして、「ありがとう」と言いたい、役に立ちたいと考えます。6年生の感想を紹介します。

 ・「してもらう幸せ」では、家でお母さんにご飯を作ってもらったり、洗たくしてもらったりと今までたくさんしてもらっています。「できる幸せ」とつなげると、私はもう6年生です。だから、お母さんの支えとなるように手伝いをしたいと思いました。
・私たちがここまで成長できたのは家族のおかげなので「ありがとう」をたくさん言いたいです。
・親にいろいろなことをしてもらっているし、友達や家族などに支えてもらっているので、役に立つことをいっぱいしたいです。
・私は、今ここに生まれ、育っているということは、たくさんの人に恵まれ
大切に育てられたからこそだ、今、私は幸せなんだと思いました。

 「喜んでもらう幸せ」の大切さについても感じてくれました。
 ・3つの幸せの中で、「喜んでもらう幸せ」が特にいいなと思いました。
・「喜んでもらう幸せ」は、私も3つの中で幸せという気持ちがとても大きいと思うので、役に立つ行動をしてだれかに喜んでもらえることを多くしたいです。
・「喜んでもらう幸せ」が、自分も相手も幸せになるので、喜んでもらうために「ありがとう」を広めたいです。
・「喜んでもらう幸せ」については、学校のみんなが、私が物を拾ってあげたときに必ず「ありがとう」と言ってくれ、1年生のお手伝いのときも「ありがとう」と言って喜んでもらえます。喜んでもらうと自分もうれしくなります。
・私にとって人の役に立つということは、とてもうれしく、そして幸せになれるときなので、人の役に立つ人になりたいです。
・私はみんなに喜んでもらって「ありがとう」と言ってもらえる人になりたいなあと思いました。

  校長 安住 順一

「ありがとう」がこだまする学校

2019年4月9日 16時26分

    柔らかい光に包まれ、春風が心地よい季節になりました。
 「春の初めの良い月にさわやかな風が柔らかく吹いている」
 新元号「令和」の出展「万葉集」にある「初春の令月にして、氣淑く風和き」は、今の季節にぴったりです。希望の春です。「令和」について「悠久の歴史と薫り高い文化、四季折々の自然という日本の国柄をしっかりと次の時代に引き継いでいく」という談話がありました。万葉集は日本最古の歌集です。日本人の心の原点だと言われています。万葉集を深く味わいたくなりました。

 郡家東小学校では、「サプライズ」という言葉をよく耳にします。子供たちが誰かを喜ばせようと、何かを企画するのです。3月は、「サプライズ」がたくさんありました。誰かを喜ばせることは、自分にとっても喜びになります。そこには、「ありがとう」が生まれます。それは、幸せを感じるひとときです。
 始業式に、合言葉4つの「あ」の話をしました。

 「ありがとう」  ( 感謝する・感謝される)
  ・周りの人、もの、ことに感謝し「ありがとう」を伝える。
       ・親切にし、役に立ち、喜びを与え、感謝される。
「あいさつ」
   
 ・あいさつは心をつなぐ。(人間関係づくりの基本)
  ・自分から先に明るいあいさつをする。さわやかな返事
「あんぜん」(あんしん)
  ・尊い命を守る。安全な生活を送り自分の身は自分で守る。
  ・安心して過ごせるいじめのない学級、学校
「あとしまつ」
     ・最後までやりぬく。使った道具を片付ける。
  ・黙働(黙って掃除) 靴、スリッパそろえ 

 新年度が始まる前、おじいの会の方が学校園を耕してくださいました。昨年作っていただいた土には、カブトムシの幼虫がたくさん眠っていました。また、ばあばの会の方は入学式に向けて、玄関飾りを一新してくださり、入学式の会場には、華やかな桜を飾っていただきました。地域の皆様の温かいご支援に感謝いたします。
 本年度も、郡家東小学校には充実した職員がそろいました。「ありがとう」がこだまする、「輝く瞳」であふれる学校になるよう職員一同、誠心誠意努力いたします。学校、家庭、地域が連携して児童のよりよい成長をめざして手を取り合っていきましょう。どうぞよろしくお願いします。
 
 
      校長 安住 順一
  

「ありがとう」が行き交う学校

2019年2月28日 11時43分


    大学生になり、一人暮らしを始めたとき実感したのは、親のありがたさです。炊事も洗濯も自分でしなければならない生活を体験し、今までどれだけ親に世話になっていたか身にしみました。私は、家族に対して偉そうなことを言うだけで、感謝のかけらもない傲慢な高校生だったのです。

 
  相田みつをさんの詩が心にしみます。                    
         花を支える枝
      枝を支える幹
      幹を支える根
      根はみえねんだなあ      

  
   

 郡家東小学校では、「感謝」「ありがとう」を大切にしています。「ありがとう」が行き交う学校をめざしています。
 児童の生活目標(1~3月)は、『いろいろな人(もの、場所)に感しゃしながら生活しよう』です。この目標は、児童会代表委員会で提案され、それぞれの学級が具体的な取り組みを考え、実行しています。
 多くの学級で、人への感謝を考え実行しています。

  ☆1日3回、「ありがとう」を言う。
  ☆進んで「ありがとう」を言う。
  ☆してもらってうれしかったことをおかえしする。
  ☆6年生を送る会にむけて、感謝をこめて準備をする。

 生活させてもらっている教室や校舎への感謝を考えた学級もあります。

  ☆すみずみまできれいにそうじする。 
  ☆そうじをていねいにしたり、机、ロッカーの整頓をしたりする。


 児童会の企画委員会は「『ありがとう』を広げよう」を企画し、今、全校で取り組んでいます。「ありがとうカード」にしてもらったことへの感謝の気持ちを具体的に書き、「ありがとうポスト」に入れると、校内放送で紹介され、全校に共有されます。
ありがとうが行き交う学校、家庭をめざしたいものです。


  校長 安住 順一


変化と適応~生活をつくる力~

2019年1月30日 10時52分

    フィルムカメラの時代、世界シェアNo.1はコダック、No.2は富士フィルムでした。しかし、2005年 にはフィルムカメラとデジタルカメラの販売台数が逆転し、デジタルカメラの時代になります。そして、2012年、コダックが倒産。
 ところが、富士フィルムは、売上を2倍以上に伸ばし、ますます発展しています。時代に合った大胆な経営改革を実行した成果です。フィルム用化学物質の技術を使って、医療機器、液晶ディスプレイなどに力を入れることで生き残ったのです。

 
   チャールズ・ダーウィンの有名な言葉を思い出します。

      強い者、頭のよい者が生き残るのではない。
    変化できる者が生き残るのだ


 小学校の教育課程も大きく変わります。現在は移行期で、2020年度より完全実施の新学習指導要領では、プログラミング教育が必修になり、外国語活動は3年生から入り、5年生からは外国語が週2時間になるなど、学習内容が増えます。変化の激しい社会をたくましく生き抜いていく子供を育てるための改革です。

 
     郡家東小学校では、特別活動の推進に力を入れています。特別活動において育てる力の重要な3つの視点は「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」です。
 よりよい集団や社会をつくろうとする力を育てるのが「社会参画」です。自分たちでよりよい学校生活をつくる子供を育てるのです。自分たちで生活をつくる力は、予測困難な未来社会で、受け身でなく、主体的に積極的に様々な問題に立ち向かっていく力、たくましく生き抜く力になります。

 
    明日開催されるエンジョイ集会は、「特技を見せ合い、もっと自分や友達のよさを知ろう、もっと郡家東小学校を好きになろう」というねらいで実施されます。
   4~6年の実行委員会が中心になって計画、運営します。各学級では、学級会を開き、どのようにしたらエンジョイ集会を盛り上げることができるか話し合いました。様々なアイデアが出され、各クラスが工夫を凝らした応援をします。これらを通して、自分たちでよりよい生活をつくる力が育ちます。
 多くの皆様の参観をお待ちしています。

  校長 安住 順一

未来を切り拓く

2019年1月9日 09時21分

   あけましておめでとうございます。平成最後となる初春を、穏やかに迎えられたこととお慶び申し上げます。今年は、日本にとって新たな時代の幕開けの年です。5月には、皇位継承があり改元が行われます。また、
2025年の大阪万博は、2020年の東京オリンピックに続く明るいニュースです。
 しかし、新学習指導要領は厳しい問題意識から出発しています。

 
今の子供たちやこれから誕生する子供たちが、成人して社会で活躍する頃には、我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく、また急速に変化しており、予測が困難な時代となっている。□


 10年後の予測困難な時代でも、たくましく未来を切り拓いていける子供をどう育てるかということが大きなテーマなのです。


 歴史を振り返れば、幕末から明治へと大変化した時代と現在とはよく似ています。激動の時代を生き抜いた先人から学ぶことがたくさんあります。
 福沢諭吉もその一人です。諭吉は、緒方洪庵の適塾で蘭学を学びました。諭吉の猛勉強はすさまじく、布団をしいて寝たことは一度もなかったと述懐しているほどです。しかし、その後、開港したばかりの横浜へ行き、落胆します。オランダ語が全く通じないのです。会話もできなければ、店の看板も読めません。
 そのころ世界の覇権はイギリスが握っていて、時代は英語へと移り変わっていました。でも、諭吉はその翌日にはショックから立ち直ります。「これからは一切万事英語だ」と新たな志を立てるのです。
 後に、諭吉は振り返ります。「これは数年の勉強の結果を空しくすることで、生涯二度の艱難辛苦だ、と思ったのは大間違いで、実際は、オランダ語も英語も文法がほぼ同じなので、オランダ語の力は英語にも適用され、決して無駄ではなかった。」
 諭吉は、英語の翻訳家として活躍。『西洋事情』等を表し、西洋の技術や社会の仕組みを迅速かつ的確に日本に伝え、欧米列強の属国などでなく対等に肩を並べていける国になるよう人々を導きました。ベストセラー『学問のすすめ』の出版、慶應義塾の創設、新聞『時事新報』の創刊等、日本が誇る明治の偉人です。

 
 諭吉のように、予測困難な時代でも、何が起きても挫けず、未来を切り拓くたくましさを育てたいものです。また、頑張った経験は無駄にならないということも肝に銘じ、努力したいものです。

  校長  安住 順一