「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

世界が注目!日本の教育「TOKKATSU」

2025年2月3日 12時25分

1月下旬は比較的天候に恵まれ、過ごしやすい日々となりました。子供たちは校庭を元気よく走り回り、校舎の周りでは一生懸命縄跳びを跳ぶ姿が見られます。一方、スキー場は雪不足の心配をすることも無く積雪に恵まれているようで、2月6・7日の5・6年スキー教室は予定通り行える見込みです。

先日、本校は第4回校内授業研究会を行いました。校内授業研究会は、「自分たちで つながり つくる 学校へ」を研究テーマに、特別活動の学級会(話合い活動)の進め方を研究することで、教員として資質能力の向上を図っています。今回は、1年2組、3年1組、6年2組、特別支援学級「ひなたつこ」1~5年生の児童が学級会を公開しました。1年2組は友達との最高の思い出作りについて、3年1組は進級前の2年生との交流について、6年2組は卒業式当日のサプライズについて、特別支援学級「ひなたつこ」は6年生へのプレゼントについて話し合いました。各学年学級とも、自分の考えをしっかりと伝えたり折り合いをつけたり、少数意見も大切にしながら仲間意識や相手意識をもって真剣に話し合う姿が見られました。児童にとってこれらの話合いは、儀式・行事等で日頃から伝えている「自分たちの学校は 自分たちでつくる」につながるものです。子供たちによる自発的、自治的な活動は、学級や学校におけるよりよい生活や人間関係をつくるとともに、お互いを尊重し、認め合う支持的な風土を醸成し、学力向上にも役立っています。また、いじめの未然防止等にもつながると考えています。

特別活動において育成すべき資質・能力の重要な視点○人間形成関係・・・違いを認め合い、みんなと共に生きていく力を育てます。

○社会参画  ・・・よりよい集団や社会をつくろうとする力を育てます。

○自己実現  ・・・なりたい自分に向けてがんばる力を育てます。

児童は、人との豊かなかかわりを通して自ら学び、自分に自信をもつことができるようになります。そして、児童一人一人が自分の成長を実感できる教育、これが特別活動(特活)です。この特別活動に本校が積極的に取り組むようになったのは、特活の父と言われる 國學院大學教授 杉田洋先生のご指導によるものです。現在特別活動(特活)は、世界が注目している日本式の教育「TOKKATSU」として、例えばエジプトの国策でエジプト全土に導入されるなど海外の教育関係者から注目されています。

 学校は人と人が関わり合う一つの社会であり、特別活動の体験や経験が大人になっても忘れられない思い出となります。そして、将来の様々な集団(職場、家庭、自治会、サークル、地域行事等)での生き方につながります。実生活や実社会に生きて働く汎用的な力を育成する特別活動の取組みに、引き続きご理解とご協力をお願いします。

新年のスタート!!「大切にしたいこと」

2025年1月10日 11時46分

令和7年、2025年が始まりました。子供たちは、14日間の冬休みを終え元気に登校してきました。そして、3学期がスタートしました。

さて、皆様は各ご家庭でどのような年末年始を過ごされたでしょうか。お正月は、子供たちにとって楽しいことがたくさんあったのではないでしょうか。多くの親戚や仲間が一堂に会する等、様々な再会や交流があったことと思います。いずれにせよ子供たちは、家族や親戚等、様々な方と過ごし、新たなエネルギーを充電できたのではないかと思います。

現在、学校は特別活動を基盤とした学校づくりを行っています。学校教育目標の副題にある ~明るく楽しくて、人と人がつながる学校~ が正にめざす学校の姿です。具体的には、今自分は何をすべきか自分で判断して行動する子供の姿であり、自分も人も大切にして一人一人が主役として活躍できる学校をめざしています。言い換えると、少し高いめあてを持ち一生懸命がんばる子供の姿であり、学ぶことに喜びを感じ自分を高めようとする子供の姿です。それは一人一人の人間力の育成によるところが大きく、その総体が学校力と考えています。そして、その根底には、自分を支えてくれる人・もの・ことに感謝できる子供の育成がありますが、そこには各ご家庭や地域・学校関係者の協力と理解が不可欠です。このことは、私が常日頃、児童はもちろん本校職員にもよく使う言葉、「お陰様」に集約されています。

今年の干支は、「巳」。巳は多くの人にとって成長と結実の時期となる可能性が高く、「巳」は植物が最大限まで成長した状態を意味するそうです。これは、これまでの努力や準備が実を結び始める時期を示唆しています。ちなみに2025年4月13日~10月13日までの184日間、大阪の夢洲で開催される「大阪・関西万博」は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界各国から最新技術や文化が集まる国際的なイベントです。

スポーツでは、世界陸上競技選手権大会が東京で開催されます。また、「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」も開催されます。聴覚障害を持つアスリートたちが、競技を通じてその才能を最大限に発揮するこの大会が日本で開催されることにより、より多くの人々が障害者スポーツに触れ、理解を深めるよい機会となります。

本校教育は、児童・保護者・地域とともにと言いつつも、まだまだ至らない点が多々あるかと思います。子供の健やかな成長は、子供に関わる全ての者はもちろん社会全体の願いです。しかしながら、学校と保護者、保護者同士、互いのコミュニケーションが不足すると、不信感や誤解を招いて信頼関係が揺らぎます。学力向上、いじめの兆候や不登校、学校生活における生徒指導上の問題など、学校教育に関わる悩みや不安ついては、特に躊躇することなく校長以下本校職員に直接かつ具体的にご相談ください。児童一人一人が安全で、安心して過ごすことができる学校生活の当たり前を大切にして参ります。

では、保護者・地域・学校関係者の皆様、引き続き今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年も残すところあと僅かとなりました。

2024年12月27日 16時41分

年間で最も授業日数が多い82日間の2学期が終了しました。

2学期を振り返ってみますと、様々な学校行事がありました。10月24日木曜日は校内マラソン大会でした。学校前の坂道や校庭には多くの応援の方々が駆けつけてくださいました。地域ボランティアの方には、交通整理で子供たちの安全を守っていただきました。一人一人自分の目標を決めて練習を重ねて頑張ったこと、最後まで走り切った「ねばりっこ」の姿勢は、郡家西小学校の校訓「至剛」そのもので、素晴らしかったと思います。10月29日火曜日は全校遠足で、湖山池の青島にスクールバスで出かけました。色別のゲームやなかよし班ごとのお弁当、学校を離れて実施した全校での活動は大成功でした。11月10日日曜日は、「西スタ・デー~学びの発表会~」でした。それぞれの学年が学習した内容を分かりやすく伝えようと、趣向を凝らして表現していました。6年生にとって最後の学びの発表会は、マーチングでした。おうちの方や親せき等たくさんの方に6年生児童の雄姿を観ていただくことができました。その他にも様々な行事がありました。10月3・4日は6年生の修学旅行でした。雨に降られた見学場所もありましたが、自分たちの修学旅行は自分たちで作る6年生の姿は立派でした。1年生は、働く自動車の見学や本物の大きな建設機械に乗せてもらいました。2年生は、校区内の施設やお店を見学して地域のよさを学ぶことができました。3年生は、バリアフリーについて学び「みんなにやさしいまちづくり」について考えました。4年生は、安藤井手の見学やトップアスリートの方にスポーツの楽しさや生き方を学びました。5年生はお年寄りの方を招いて交流しました。まさに心と心の通い合う心温まるものでした。どの学年も校外学習に出かけたり、ゲストティーチャーをお招きしたりして、「地域学習」や「ふるさとキャリア教育」を通じて学びを深めることができました。

学校を休みがちや遅れてしまうことが多くてもがんばって登校しようとした人、友だち関係やコミュニケーションがあまり得意ではないけれど、関わり方やお話をすることを克服しようとした人、児童一人一人が努力と学びを通じて大きく成長した2学期でした。

では、明日から、1月8日まで14日間の冬休みとなります。学校が出した学習はもちろん、お正月の準備や大掃除等家族の一人として役だつことをさせてください。また、年末年始の様々な行事に参加することで、家族や地域とのつながりを大切にしてください。夏休み同様、普段できない何かに親子で挑戦するのもよいでしょう。来年の干支は「巳」、巳年はこれまでの努力や準備が実を結び始める時期、多くの人にとって成長と結実の時期となる可能性が高い年と言われています。

では、3学期も児童一人一人が主体的に活動し主役となる郡家西小学校教育を進めて参りますので、引き続き、地域・保護者・学校関係者のみなさま、郡家西小学校教育へのご理解とご協力をお願い申し上げます。郡家西小学校教育は、保護者、地域とともに歩む開かれた学校であり続けます。保護者の皆様におかれましては、お子さんの教育活動で気になること、学校教育でお尋ねになりたいことがありましたら、校長をはじめいつでも本校職員のだれにでもご相談ください。一人一人のお子さんの健やかな成長を職員一同願っています。

では、よいお年をお迎えください。

「ペップトーク」ってなんだ?

2024年12月10日 17時56分

秋らしい秋が足早に過ぎ去り、あっという間に今年の冬がやってきました。今年も残すところ1ケ月、体調には十分気を付けて師走の日々をお過ごしください。

先月は、「西スタ・デー ~学びの発表会~」を開催したところ、多数お越しいただきありがとうございました。各学年の発表の様子を見て回りましたが、1年生では観覧しておられるおうちの方に感想を求める場面がありました。感想を求められた方は丁寧に感想を言ってくださり、子供たちと会場が一つになってる光景をとても微笑ましく思いました。6年生のマーチングも圧巻でした。2か月余りの練習を経て、発表会当日を迎えました。体育館で練習をしている楽器の音がいつも校長室まで届いていた日々を思いつつ、当日の6年生児童の雄姿に感動した次第です。「西スタ・デー ~学びの発表会~」は児童にとって、自分たちの取組を表現する楽しみな場面であるとともに緊張する晴れ舞台でもあります。私たち教職員は、日々の学校教育の中で、子供たちにどのような声かけをすると、子供たち一人一人やる気が出たり心を落ち着かせたりできるのか、いかに子供たちの心に響く声掛けができるのかを常に考えて接しています。このことは、ご家庭の中でも同じことが言えるのではないでしょうか。

先月、中国地区小学校長会教育研究協議会山口大会に参加して、その中の記念講演が大変興味深いものでしたので、紹介させていただきます。講師に日本ペップトーク普及協会 岩﨑由純 代表理事を迎えて、演題「教育現場に元気を与えるトーク術~スポーツ現場で使われるペップトークとは~」のご講演をいただき、下記のように述べられました。

ペップトークの特徴は、できることを前向きな表現で言葉にする(可能性を言語化)もので、相手を勇気づける言葉かけであり、どんな言葉をどう言うか考え抜くのかは、学校では先生、子育てでは親・保護者の役割である。

大谷翔平選手の言葉もそうです。勝つことだけ考えて、行きましょう。(可能)勝ちましょう。

◇言葉の変換例

遅刻しないで → 時間を守ろう  忘れ物をしないで→ ちゃんと準備をしよう 

やめないで  → やり続けよう  あきらめちゃだめ→ 最後まで信じよう

うそをつかない→ 正直に話して  言い訳しないで → ちゃんと謝ろう

【参考】 金盛 浦子 臨床心理士の言葉より   水のような言葉

小さな子供たちの心には、悪い言葉もいい言葉もまさに砂に吸い込まれる水のようにしみこみます。その水が、心の幹を育てます。

最後になりましたが、先日八頭町教育委員訪問があり、協議の中で委員から「子供たちの取組が学校だけに終わらず、地域のみなさんにも伝えてたくさんほめてもらってください。」とご助言を頂きました。学校は子供たちにとって小さな社会ですが、地域の中に生きる子供たちにとって、地域に育てられ、地域とともに成長する、これこそが本当の「ふるさとキャリア教育」ではないかと思います。子供たちが地域を大切にして地域を愛する大人へと成長するためにも、ぜひペップトーク(子供たちの心に響く温かい言葉掛け)で自分のお子さんはもちろん、地域の子供たちも見守ってくださるようお願いします。

できっこないを やらなくちゃ

2024年12月10日 17時55分

日ごとに秋が深まり、紅葉の美しい季節となりました。先日は、ご多用の中、マラソン大会の応援に多数お越しいただきありがとうございました。

本校の学校経営方針(グランドデザイン)に次のようなめざす子供像があります。

「少し高いめあてを持ち、一生懸命がんばる子供」

具体的には、知・徳・体の体に、「たくましさとしなやかさのある子供」があります。

◆好きでも嫌いでも、楽しくても苦しくても 何事にも全力で向かえる「ねばりっ子」の奨励

◆「一生懸命」活動する子供が認められる集団づくり

◆共に伸びるために互いに励まし合ったり、感謝の気持ちを表現したりできる場の設定

◆体を鍛えると共に、運動の楽しさを味わわせる活動の充実

◆生活の基本をもとにした、基本的生活習慣の定着

◆「立腰」の徹底

これらのめざす子供像のもと、今年度のマラソン大会は下記のようなねらいで実施しました。

【ねらい】

①自分の走力(持久力)を高めようと努力するとともに、目標をもってねばり強く取り組む態度を育てる。

②友達と励まし合いながら練習に取り組むとともに、お互いの頑張りを認め合う態度を育てる。

道徳との関連では、「自分がやろうと決めたことは、最後まで粘り強くやり遂げる。」

児童一人一人が自分のめあてをしっかりと持って大会に臨んでいたと思いますが、めあてが達成できた児童もあれば達成できなかった児童もあると思います。めあてに向かってがんばろうとする姿勢はすばらしく称賛そのものです。ぜひ、ご家庭でもお子さんのがんばりをしっかりと認めてあげてください。

「できっこないを やらなくちゃ」これは、ドラマのイメージソングやCMにも使われた曲 (作詞・作曲山口隆、編曲サンボマスター) のタイトルで、ご存じの方も多いかと思います。この曲中に「あきらめないでどんな時も 君なら出来るんだどんな事も」という歌詞があります。この歌詞は、まさに忍耐とエールそのものです。辛いことがあってもそれとしっかりと向き合って、その苦しさをバネにして自分の目的や目標に向かっていくことであり、忍耐は長時間にわたって耐え続ける力や能力です。似た言葉に我慢がありますが、これは自分の感情や欲望を抑えることを指し、自己抑制や自己制御の要素が強く、他人に迷惑をかけないように自分を抑える意味もあります。

関連する言葉に「Effortless Effort」(努力をしない努力)があります。我慢や忍耐と言った多少の苦労や試練があろうとそれをそこまで負担と感じず、たとえ負担と感じることがあったとしてもそれをも原動力に変えるものです。努力がもはや努力だとも思わずにやり続けられるそんな大人でありたいものですし、これからの未来を生きる子供たちにはそんな大人に育ってほしいと願っています。

夢を持つことの大切さ

2024年9月30日 11時28分

風に揺れるコスモス、日中の残暑はまだまた厳しいものの日に日に朝晩は涼しくなってきました。先日は、ご多用の中、人権教育参観日にお越しいただきありがとうございました。

「自分や友達のよさに気づいたり、様々な人と出会ったりすることを通して、豊かな人間関係を築き、共に生きようとする子供を育てる。」

これは本校の人権教育目標で、子供達が様々な出会いの中で人権感覚を育み、日々の生活に活かして行動できるように日々人権教育に取り組んでいるところです。そして、自分自身を大切にすることはもちろん、友達や周りの人も大切する「自分たちで、つながりつくる学校」を目指しています。自分自身を大切にすることの中に「自分をほめる習慣がついている。」ということがあります。人は誰でも「承認欲求」というものを持っています。自分のがんばりや自分の存在価値を認められたいという潜在的な欲求です。自分をほめることで自分を認めてあげるとともに、親をはじめ周りの人からほめられることも大切で、ほめられると自然とやる気が出たり、気持ちがほぐれたりします。周りの人がほめることで子供の言動を意味付け価値づけすることは、子供にとってはとても大切なことなのです。自分をほめることやほめられることで自分に自信がつき、自己肯定感が上がります。そして、積極的かつ前向きな考えができるようになります。それは、夢や希望に向かって進む姿勢にもつながるのです。

令和6年度全国学力・学習状況調査の質問項目「将来の夢や目標を持っていますか」の本校の肯定的評価の割合は、全国・鳥取県の数値より低く出ています。この結果から考えられることは、郡家西小学校の子供の成長に関わる親、教師他関わる周りの大人が子供に夢を語り、夢を持たせているのだろうかということです。夢に向かうことが生きがいとなり夢を持つことで人生が豊かになります。夢を持つことは、将来に対する期待や明るい見通しの意味もあります。子供にとって、夢や希望を与える親や教師、そして大人でありたいものです。

最後に【夢七訓】(ゆめしちくん)を紹介します。新一万円の肖像であり近代日本経済の父と呼ばれた渋沢栄一(1840-1931)は、【夢七訓】で夢をもつことがいかに大切かを語っています。

【夢七訓】

夢なき者は理想なし。理想なき者は信念なし。信念なき者は計画なし。計画なき者は実行なし。実行なき者は成果なし。 成果なき者は幸福なし。ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。

幸せになりたい人は「夢」をもたなくてはならない、何事も「夢」をもつことから始まると言っています。このことから、これからの未来を生きる子供たちには「なりたい自分、ありたい自分」をたくさん描いて、その実現のために自分で考え、行動する力を身に付けてほしいと願っています。

2学期がスタートしました

2024年8月28日 09時29分

39日間の夏休みが終わり、2学期始業式を行いました。

さて、今日から2学期となり、校舎には子供たちの元気な声が戻ってきました。近年の猛暑は今年も例外ではなく、お子さんにとっては熱中症を避けるために外出を控え、思い切り外で遊んだり活動したりすることがなかなかできない日々であったことと思います。親子とも一番気がかりな夏休みの課題はいかがでしたか。夏休みの課題が何とか終わりほっとしているのは、お子さんはもちろん保護者のみなさんも同じではありませんか。また、保護者のみなさんは、夏休みの課題が終わった達成感をお子さんと共有する一方で、お子さんとしっかりお話をしたり関わったりしたりしたからこそ、どことなく寂しさも感じておられることと思います。2学期を迎えるにあたり、子供たちは夏休みの思い出に浸りながら学校生活の現実に戻ることへ寂しさを感じる一方、久し振りの登校でしばらく会っていなかった友達に会えるうれしさも感じています。児童の心持ちは、この時期ならではの何とも言えない複雑な気持ちになっています。私たち大人は自らの経験を振り返ってみる中で、この微妙な感じをしっかりと受け止めてあげる必要があります。

夏休み前にお配りした学校だより「至剛」のタイトルは、「夏休みだからこそ、夏休みならでは」でした。お子さんは、やりたいことにじっくりととことん取り組んで、計画通りの過ごし方ができましたか。おうちの方の助言や協力があっての夏休みではありますが、お子さん自身の取組みはいかがでしたでしょうか。計画通りに過ごせたのも夏休み、計画通りにうまく過ごせなかったのも夏休みです。ぜひ、親子でお子さんの夏休みの過ごし方を振り返ってみてください。保護者のみなさんにおかれましては、お子さんとのかかわり方はどうであったでしょうか。お子さんとしては、夏休みの振り返りをいかに2学期からの過ごし方に活かし実行に移すことができるか、これが夏休みを自らの計画で過ごした意味であると考えます。

では、2学期も児童一人一人が主体的に活動し主役となる郡家西小学校教育を進めて参りますので、引き続き、地域・保護者・学校関係者のみなさま、郡家西小学校教育へのご理解とご協力をお願い申し上げます。また、学校生活や家庭教育でお困りのことがありましたら、担任はもちろん本校いずれかの職員にご相談ください。本校職員一同、一学期同様お子さんの健やかな成長を心より願っております

夏休みだからこそ、夏休みならでは

2024年7月22日 14時46分

本日1学期終業式を終え、明日から39日間の夏休みとなります。1学期は、62名の1年生を迎えて334名の全校児童とともに令和6年度郡家西小学校教育がスタートしました。5月25日(土)の運動会は、運動会の演技を全力でやりきる児童の様子とともに、6年生の色別リーダーを中心とした各テントでの応援も立派でした。一糸乱れぬ元気いっぱいの応援風景は感動そのものでした。運動会のめあて「やったるで、みんなが主役」のもと、児童が日々「自分たちで、つながりつくる学校」を目指しているように、自分たちの運動会も自分たちでつながり、自分たちで盛り上げ作り上げたものになりました。また、地域演技「パン食いGO!」や「八頭町音頭」は、老若男女を問わず多数運動会に参加してくださり、地域とのつながりも実感した次第です。

5月31日(金)、4年生の氷ノ山登山も大きな行事の一つでした。あいにくの小雨模様の中、登山予定の児童全員が登頂することができました。仲間とともに登り切った達成感は、思い出とともにこれからの大きな自信になったことと思います。PTA行事は、環境整備・資源回収を予定通り実施していただきありがとうございました。

 ところで、夏休みはどのように決められているでしょうか。夏休みの正式名称は「夏季休業日」で、八頭町立小学校及び中学校管理規則第7条に、休業日は次のようにすると 記してあります。

(1)国民の祝日に関する法律に規定する休日

(2)土曜日及び日曜日

(3)学年始休業日 4月1日から4月8日まで

(4)夏季休業日  7月21日から8月27日まで

(5)冬季休業日 12月26日から翌年1月8日まで

(6)学年末休業日 3月25日から3月31日

(7)その他校長が必要と認めた休業日

夏休みは、児童の心身の休養、通常の生活では経験できない生活や活動の実施、自主・自律の生活態度を養うことが主な目的です。毎年やってくる夏休みではありますが、日々成長している子供たちにとっては毎年貴重な夏休みです。夏休みだからこそ、自由研究や図画工作、家庭科作品作り等にじっくりと取り組んだり、動植物の観察をしたり、ゆったりと読書に勤しんだりできます。子供たちには、ぜひ夏休みならではの経験をしてほしいと思います。今年から社会科自由研究で特にすばらしい作品は、東部地区夏休み自由研究作品展(鳥取市文化ホール)に展示することになりました。どのような作品に仕上げるかは児童自身の取組みによるところはもちろんですが、何よりもご家族のみなさまの助言や協力があってのことです。興味関心のある世界を深めることは、児童自身の可能性を大きく広げることにもつながります。思い出多い有意義な夏休みとなりますように願っています。

では、2学期始業式8月28日(水)には、児童一人一人が楽しい思い出とともに、大きく成長した姿を見せてくれることを楽しみにしています。1学期間、地域・保護者・学校関係者のみなさま、郡家西小学校教育にご理解とご協力を賜り、ありがとうございました。

「当たり前の日常」のありがたさ

2024年7月4日 09時11分

今年は、昨年より少し遅い梅雨入りで、中国地方では統計開始以来3番目に遅い発表となりました。本格的な暑さに向かう中、プールには子供たちの歓声とともに水しぶきが舞っています。暑さと湿度の高さの中、引き続き日々子供たちの熱中症に気を付けながら、夏休みに向けて充実した日々を過ごしているところです。

先日もお伝えしましたが、6月後半のある日、本校児童が下校途中に交通事故に遭う大変痛ましい出来事が起きました。幸いにも、命に別状はなく回復に向かっているところです。本校全校児童には、交通事故発生の翌日に全校集会と学級指導で交通安全の徹底を確認したところです。児童が元気よく登校して、元気よく勉強に遊びにと学校生活を送り、元気よく下校する、そんな日々のありがたさを改めて実感しています。

ところで、私たちは、日々の生活を当然のごとく過ごしている「当たり前の日常」に対して、どれだけ感謝しているのかと問われたとき、どのように答えることができるでしょうか。少しでも「当たり前の日常」が乱れたときあるいは乱されたとき、「当たり前の日常」に対してありがとうと感じることさえ忘れているのが実際ではないでしょうか。

では、ここで問題です。ご存じの方もあるかと思いますが「ありがとう」の反対言葉は何でしょう。「ありがたくない」でしょうか?いいえ、正解は、「当たり前」です。ありがとうは、漢字で表すと「有難う」で、「ある(有る)のが難しい」すなわち「あり(有り)かたし(難し)」)となります。また、「滅多にないこと」、「貴重なこと」が起きたことを「奇跡」と言いますが、「奇跡」の反対言葉は、「当然」とか「当たり前」だそうです。ということは、「ありがとう」≒「奇跡」と言ってもよいことになります。私たちは日々繰り返されるできごとを当たり前と思って過ごしてしまうのは、当然かもしれません。児童においても、日々規則正しく食事ができる当たり前、日々元気よく「行ってきます」「ただいま」と登下校できる当たり前、日々学校に行って勉強ができる当たり前等々、ほとんどのことが当たり前に明日も繰り返されると思いがちです。しかし、よく考えてみると、これらの当たり前だと思えることが本当は「奇跡」の連続で、「奇跡」の連続があるから今があると言っても過言ではありません。言い換えれば、ちょっとしたことで、「奇跡」の連続がある日ある時、あるできごとで乱れてしまうかもしれません。

目の前の「当たり前の日常」は、様々な人々の力を借りて様々な方々の努力や関りのお陰で成り立っています。例えば、現在6年生の家庭科では、エプロンづくりでミシンポランティアの方々に助けてもらっています。友達との助け合いもあり、ミシン縫いの作業が順調に進んでいます。6年生は、ボランティアや友達の助けを当たり前と思わずに、「ありがとう」という気持ちで作業をしているようです。日々の家庭生活や学校生活が、何不自由なく過ごせるに越したことはありませんが、何事もない日常も無ければ何事かがあるのも日常です。陰になり日向になり関わっている方々に思いを馳せつつ、「当たり前の日常」に素直な気持ちで感謝できるそんな自分でありたいものです。

元気は「あげるもの」、希望は「与えるもの」

2024年6月5日 09時06分

木々を渡る風もさわやかで、新緑が鮮やかな季節となりました。5月25日(土)の運動会は天候にも恵まれ、絶好の運動会日和となりました。学校運営協議会の方々をはじめ多くのご来賓をお迎えして、郡家西地区のみなさまと共に運動会が開催できましたことを大変うれしく思います。

運動会では、児童が一生懸命演技をする姿や協力して勝利を目指す姿に元気をもらわれたのではないでしょうか。運動会の演技を全力でやりきる児童の様子もさることながら、6年生の色別リーダーを中心とした各テントでの応援も立派でした。一糸乱れぬ元気いっぱいの応援風景は感動そのものでした。今年の運動会のめあては、「やったるで、みんなが主役」でしたが、児童が日々「自分たちで、つながりつくる学校」を目指しているように、自分たちの運動会も自分たちでつながり、自分たちで盛り上げ作り上げたものになりました。児童一人一人が主役となれた運動会になったと思います。また、地域演技「パン食いGO!」や「八頭町音頭」は、老若男女を問わず運動会に参加してくださり、地域とのつながりも実感した次第です。

児童は毎日、学校生活の様々な場面でも元気あふれる姿を見せてくれることが多く、私たち教職員は多忙な中にあっても子供たちから日々元気をもらっています。そんな中、児童が前向きな気持ちで元気に過ごすこと、何ごとも最後までやり切ったと言えるように一人一人みんなが主役になれるには、何が必要なのかを改めて考えてみました。

子供たちはこれから、私たち大人が生きてきた世の中とは明らかに違う世の中を生きていかなくてはなりません。そのために私たち大人、特に親ができることは何でしょう。それは、「生きる希望を与えてあげること」だと思います。具体的には、親や周りの大人が笑顔で生き生きと過ごすお手本となることです。子供はそれを見て、一つ一つ自分のものにしていくのです。いつも笑顔で生き生きとするのは難しいことですが、不安をあおったり、日々嘆いたり落ち込んだりしているようではいけません。親がよりよい姿を子供に見せること、そして、よりよい体験の場を提供することです。親子関係で大事なのは、認めることとほめることです。結果とともにがんばる過程をしっかり認めてほめていくことです。愛されているという思いを実感させるとともに自分に自信を持たせることで、直面する困難に挑戦しようとする意欲を持たせることができます。大切なのは、子供の自己決定(自分で決めさせること)を大切にすることです。親が共感して、子供の自己決定とその過程と結果をしっかりと支えてあげるエンパワーメント(empowerment)を図ることで、子供は元気が湧いてくるのです。

※エンパワーメント【湧活】 (ゆうかつ)とは、子供に夢や希望を与え、勇気づかせ、子供が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き立たせることです。

私たち大人は子供から元気をもらっていますが、まずは親をはじめとする周りの大人が子供に元気をあげること、そして希望を与えることが大切ではないでしょうか。

※参考:安梅勅江(あんめときえ)筑波大学教授