学校長日誌

【学校長】校長室から 34(創立記念日)

2017年6月5日 11時50分

明治18年(1885年)6月5日に誕生した本校は132年という歴史を重ねました。明治15年当時の公立の農業教育機関は全国で11ほどしかなく、本校の前身である郡立倉吉農学校はその一つです。全国でもっとも古い農業高校のひとつといわれるゆえんです。県立に移管された明治18年をもって開校としていますが、明治18年といえば第一回の帝国議会が開催された年です。倉吉ではまだ電気も通っていなかった時代。近代農業の発展とともに本校の歴史があります。
そして設立の議案書には「世界の中の日本の現状に鑑み・・・農業の発展を目ざして農学校を構想した」とあるなど、明治の時代のこんな地方から世界に目を向けていたことがわかります。情報も今ほどではなかった時代に、世界の中における鳥取県農業を思っていたことに改めて驚愕します。
その議案書を作成し,本校設立のために力を尽くされた山桝友蔵の子孫の方々が先日本校においでになりました。遠い先祖が設立された学校を見られて感慨ひとしおだったようです。山桝友蔵は本校設立のあと北海道開拓に向かわれました。今でも北海道由仁町には「山桝」という名前の集落があります。このたびの山桝会にはその集落からもおいでになっていました。わずか4年で冷害のために挫折され帰郷されましたが、その名前は集落の名前として残されています。なかには今でも山桝友蔵の遺影が掲げられている家もあるとか。友蔵は「大切な恩人」として、今でも大切に慕われているそうです。そんな人に創設された倉吉農業高等学校です。