学校長日誌

校長室から 31 「朗報がやってきた!!」

2016年11月18日 10時27分

秋が深まってきました。校内の木々は紅葉してすばらしい景観になっています。まさに学校中が公園となっているような感じです。お近くに来られた際にはぜひ学校まで足をお運びください。
16日は「協同学習」による授業研究会を行いました。名古屋にある中部大学から有本高尉先生においでいただき、本校の3人の先生の研究授業、引き続いての研究協議、指導講評と行いました。残念ながらその日はスーパーはくとの到着が90分も遅れてしまい、有本先生に授業をしっかりと見ていただくことは出来ませんでしたが、研究協議の様子を見られて、本校の先生方の熱心な協議に感動されていました。この先の授業に生かされていくと思います。外部からも参加していただきました。ありがとうございました。
また、この日は本校農業女子生徒たちによる「旅ラジ」のNHKラジオ全国生中継や、環境科3年生が指導する学校開放講座「四つ目垣作り」、食品科3年生の北谷地区での買い物支援販売、生物科3年生の灘手小学校児童との乗馬交流と、大忙しの一日になりました。いずれの場面でも生徒たちの活躍をうれしく思っています。これらの催しは、本校の生徒たちのすばらしい姿を、ぜひ地域の人に見ていただきたいと願って企画しているものです。この地域に倉吉農業高校があってよかったと思っていただけるよう、さらにこの先も続けたいと思っています。
そして、昨年に引き続いてすばらしい朗報がやってまいりました。
「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」にエントリーしていた本校産の「コシヒカリ」と、「全国農業高校お米甲子園」にエントリーしていた「ミルキークィーン」が、昨年に引き続き最終審査にノミネートされました。最終審査は「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」が11月26日に山形県で、「全国農業高校お米甲子園」は12月4日に熊本県で行われます。いずれにも栽培を担当した生徒と先生が出席してその最終審査を見守ることにしています。再び昨年の栄冠を取り戻せるよう、祈るような気持ちでその日を迎えます。

校長室から 30

2016年11月14日 09時24分

少しずつ余震の不安から遠ざかっているように思います。しかし、これまでの3週間の間に震度1以上の余震が400回を超え不安な日々を過ごしてきました。いまだに避難をされている方もおられ、また多くの屋根にはブルーシートが張られるなど、地震の爪痕が残されたままです。少しずつ復興へと進んではいると思いますが、元の生活になるまでにはかなりの時間がかかりそうです。
そんな中ではありますが、本校の生徒たちが全国の場で活躍をしている姿に触れることが出来ました。
今月6日に石川県金沢市で開催された全国産業教育フェアでのフラワーアレンジメントコンテストには環境科3年の谷垣さんが出場しました。全国各地から64名の選手が出場した大会でしたが、昨年に続いた出場で堂々と競技をしていました。僕が見てもすばらしい作品だと思いましたが、さすがに全国の場となるとレベルも高く、惜しくも入賞することは出来ませんでしたが、全国の場で活躍をしてくれたと思います。
次に12日と13日、東京アンテナショップでの販売実習と、全国農業高校収穫祭での様子を見に出かけてきました。参加したのはいずれも食品科2年生の生徒たちでした。
東京アンテナショップでは、本校の肉加工品の販売をするとともに、平井伸治鳥取県知事と「鳥取県中部地震復興がんばろうプロジェクト」を開催し、来場された方にカニ汁を振るまい募金の呼びかけをしました。知事のすぐ隣でかなり緊張した様子でしたが、生徒たちはがんばって活動していました。
また全国農業高校収穫祭は、東京駅にある大丸東京店12階のフロアで全国各地の農業高校が出店し開催されていました。12階にエスカレーターで上がるとちょうど目の前に鳥取湖陵高校が出店し、すぐ横に本校が出店していました。生徒たちに聞いてみると、地震のことを聞かれたり、激励をされたりということがあったようです。
いずれの販売実習でも、大都会の真ん中で生徒たちが「倉吉農業高校です。本校の生徒がつくった加工品をぜひ食べてみてください」と、大きな声でアピールしていました。道ゆく人の多くは呼びかけに応じてくれていました。中には初日にウィンナーソーセージを購入して食べてみたけど、あまりにおいしかった(ドイツで食べたのと同じくらいにおいしかったそうです)のでまた買いに来ましたといったお客様もおられました。こんな声を聞いて生徒たちは日頃の実習の意義を感じてくれたのではないかと思います。
学校の中だけでなく、いろいろな場でいろいろな経験を積み重ねていくことをとおして、生徒たちはしっかりと成長していっています。

校長室から 29

2016年11月3日 14時24分

倉農祭が始まっています。今日が2日目で学校公開日です。
午前10時からの生産物販売には朝早くからおいでいただき、開始時間には長蛇の列が出来ていました。特に野菜のコーナーには多くの人に並んでいただきました。たくさん用意していましたが、購入ができなかった方もおられたようです。お詫びしますとともに、12月には「のうこう市場」を開催いたしますので、ぜひご来場ください。お待ちしています。
地震があってから今日が13日目になります。昨日も震度2の余震があり、不安な思いをされている方も多いと思います。大きな地震に見舞われた鳥取県中部の人々を、倉農祭をとおして少しでも元気づけたいという思いで生徒たちと取り組みました。いかがだったでしょうか。
また今日はNHKテレビ、日本海テレビ、日本海ケーブル、朝日新聞とメディア4社の取材を受けました。NHKテレビは今日のお昼のニュースから取り上げていただき、他のテレビ局も夕方のニュースで倉農祭の模様が流れます。生徒たちの活動を知っていただくことは本当にうれしいことです。ぜひご覧ください。
明日は収穫祭をします。全校生徒で餅つきです。秋の収穫を300人を超える生徒・職員で喜びます。そして、地震が早く収束し、中部地区が一日も早く復興することを祈ります。
「中部はひとつ」。中部のみなさん、がんばりましょう。

校長室から 28

2016年10月28日 14時57分

10月21日(金)に鳥取県中部地方をおそった震度6弱の地震から一週間がたちました。その日は年休をもらって自宅にいましたが、激しい揺れに食器棚からは食器が、そして本棚からは本が飛び出し、屋根瓦が落ちるなど、今まで経験したことのない大きな地震でした。
しばらくしてから学校に行きましたが、生徒たちはグラウンドに避難して保護者の迎えを待っているところでした。翌日になってから校内を回ってみると、屋根瓦やコンクリート片が落ちていて、これが生徒の頭に落ちていたらとぞっとしましたが、幸いに生徒たちにケガがなく、無事にその日のうちに全員を帰宅させることができました。
24日(月)は学校を臨時休校として先生方全員で学校の安全確認と片付けをしました。生徒5人と保護者ひとりがボランティアで学校に登校し、先生方と一緒に散乱した図書室の本の整理を行いましたが、全員の力を合わせるとこんなに力が発揮できるんだと改めて感じました。足の踏み場もなかった図書室が、すっかりと元通りになりました。そのことをNHKテレビのニュース7(全国版)で取り上げていただきました。そして昨日は東部地区の高校の司書さん4名が来校されて、いったんは書棚に戻されていた本をきちんと順番にそろえていただきました。本当にありがたかったです。
そしてたくさんの励ましの電話やメールを県内外からいただきました。これほど力強く感じられたことはありませんでした。ボランティアの申し出もたくさんいただきました。そして今日は宮城県の方からも葉書で励ましの言葉をいただきました。
どんなに辛いことがあっても、こうやってたくさんの救いの手をさしのべていただくというみなさんへの感謝の気持ちを忘れずに、これから再建の道を進んでいきたいと思っています。
幸いに生徒たちは元気です。11月3日には倉農祭を予定しています。生徒もそして地域の方々も一緒に元気になるような倉農祭でありたいと思っています。ぜひお越しください。そして生徒たちが愛情を込めた本校の農産品を購入いただければと思います。みなさまのお越しをお待ちしています。

校長室から 27

2016年6月7日 09時00分

昨日は「第2回人生を考える講演会」を実施いたしました。
お迎えした講師は池間哲郎さんです。
池間さんは1954年沖縄県生まれ。現在は認定NPO法人アジアチャイルドサポートの代表理事として大活躍されています。そのかたわら多くの講演活動もしておられて、今回が3271回目ということでした。その約40%が学校ということです。
最初、僕が池間さんのことを知ったのは、「致知」という雑誌でした。会社経営をしながらアジア各国のスラム街やゴミ捨て場で暮らしている子どもたちの支援をしているという活動の様子が掲載されていました。そのなかで、
池間さんがフィリピンに行かれた際、ゴミ捨て場で暮らしている子どもたちに、
「あなたの夢はなんですか?」と聞いたとき、10歳くらいの少女がにこにこしながら、こう答えたそうです。
「私の夢は大人になるまで生きることです。」
ゴミ捨て場にいる子どもたちはその生活環境から病気やケガで死んでしまうことが多く、中にはそこで走っているダンプカーにひかれて亡くなる子どもも多くあるそうです。そんな様子を見ていたこの少女は、自分も大人になるまで生きることはないと悟っていたのかもしれません。
その後、先生が書かれた本を3冊ほど読みました。
物があふれ、食べ物さえも粗末に扱い、ありがたさを知らない豊かな国があるかと思えば、もう一方には一日中ゴミの中で働いている子どもがいる。一度もお腹いっぱい食べたことがなく、いつも死と隣り合わせで生きている子どもたちがいる。
あるとき、池間さんがその子どもたちにお弁当を渡したところ、おなかがすいてひもじい思いをしていたにも関わらず、「家に持って帰って家族に食べさせたい」と弁当のふたを閉じてしまったそうです。家族を思う子どもたちの姿に目頭を熱くしました。
家族のために身売りをされてしまう少女たち。ハンセン病やエイズと闘う子どもたち。同じ地球上にいながらここまで違う環境で懸命に生きている子どもたちがいる。
この現実を本校の生徒たちにも知って欲しいという思いから、ぜひ池間さんに来ていただいて講演をして欲しいとお願いしたところ、お忙しいにも関わらず、東京から日帰りで来ていただきました。
生徒たちは熱心に聞いてくれました。「命の尊さ」や「生きることの大切さ」をぜひしっかりと感じ取って欲しいと思っています。そして何より、命の危険にさらされることなく勉強ができることのありがたさも。

校長室から 26

2016年4月9日 08時00分

昨日は入学式を行いました。
一昨日は春の嵐で、満開を迎えた桜台の桜にとってはかなり試練のときでしたが、多くの桜の花が残り、さらに天気にも恵まれてとてもいい入学式でした。
新入生は3科合わせて86人です。男女の内訳は男子39人、女子47人と、僕の知る限りでは倉農の歴史始まって以来、初めて女子の生徒が男子生徒を上回ったと思います。
世の中では、農業分野で活躍する女性を「農業女子」と言ったり、また農学部に進学する女子学生を「ノケジョ」と呼んだり(農学部はかなりの人気だそうです)と、農業の分野で女性の活躍する姿をよく目にするようになりました。かつては「三ちゃん農業」と揶揄された時代もありましたが、今では農業における女性の地位は見違えるようになっています。その時代の流れが本校にもやって来たのかもしれません。
入学式を終えて、祥雲寮では引き続き保護者同伴で入寮式を行いました。新入寮生は全部で54名です。生まれて初めて親元を離れる生徒も多かったと思いますが、かつてのようなさみしそうな雰囲気でなく、どの生徒もこれから始まる寮生活に期待しているような表情を感じました。寮生活ではいろいろなこともあるでしょうが、規則を守り役割を果たすことで自らを成長させて欲しいものです。寮生活を終えたときには、きっと成長した自分と出会えるはずです。
いよいよ平成28年度が始まりました。生徒たちは今年も大活躍してくれることでしょう。

校長室から 25

2016年3月25日 08時00分

昨日は3学期の終業式を行いました。
先だって表彰式を行い、多くの生徒たちに表彰状を渡しました。今年度は柔道部やアーチェリー部などの体育部や農業クラブが大活躍したり、農業技術検定2級などの高度な資格を取得したりなど、かなりの表彰をしたように思います。生徒たちが大活躍した一年でした。校長として生徒たちを頼もしく思っています。
終業式ではそうした生徒たちをねぎらうとともに、「念ずれば花開く」と、新年度に向けて自分の目標をしっかりと持ち、強い意志で向かうように話しをしました。
そして離任式では9名の先生方を送りました。ともに本校130年の節目に仕事をした仲間です。勤務年数の長短はありますが、倉吉農業高校のために一生懸命にご尽力いただいたことに心から感謝し、次の職場での活躍を期待したいと思います。

昨日帰る途中に、本校の桜台の桜の木を見上げると、桜のつぼみがほころびかけていました。例年よりは少し早いですが、春が近づいて来たようです。入学式までに満開の時期を迎えてしまいそうで少し心配ですが、今年も見事な桜を見たいものだと思います。
やがて、倉吉農業高校はその桜とともに新しい年度を迎えます。

校長室から 24

2016年3月1日 12時00分

今日は本校の卒業式でした。
一昨日まで穏やかな天気でしたが、昨日から寒気が入って、今日は朝から雪がちらちら。学校内はうっすらと白くなっています。明日からは晴れ間が広がるようなので、卒業式に合わせて空から雪のプレゼントを贈られたみたいです。卒業式の直前には野ウサギが中庭の雪の上に現れたそうです。お祝いにやって来たのかもしれませんね。
会場の体育館は朝から暖房器具を総動員してもひんやりとしており、凍えるような寒さではありましたが、たくさんの来賓や保護者にご参列いただき、とてもいい卒業式ができました。
昨年から卒業証書を一人ひとりに渡すようにしていますが、渡す私から見ていると本当に一人ひとりが違う表情をしているなと思って見ています。満面の笑顔であったり、泣き出しそうな顔をしていたり、そして緊張感いっぱいでがちがちになっていたり。卒業生たちにとって、この卒業式は思い出深いものになるだろうと思います。一人ひとりに渡すとかなりの時間がかかりますが、卒業式は卒業生のためのものと思えばたいしたことはないのかもしれません。
そして、いよいよ卒業生たちは明日からそれぞれの人生に向かって進んでいきます。生徒それぞれが思い描いている輝く未来がやって来て欲しいものだと願っています。

校長室から 23

2015年12月18日 11時45分

今日は朝から冬型の気圧配置になり、とても寒くなっていますが、本校では2学期の終業式を行いました。式に先立ち表彰伝達式を行いましたが、表彰状の数がとても多くて、すべての生徒たちに渡すのにかなりの時間がかかりました。とてもうれしいことです。こんなにも本校の生徒たちはがんばったんだなと改めて感じています。
先日、全国農業高校お米甲子園で日本一に輝いた本校のミルキークィーン、そして「あなたが選ぶ日本一おいしいお米コンテスト」で優秀金賞を獲得したコシヒカリ、ミルキープリンセスを持って、石破茂地方創生大臣と平井伸治鳥取県知事、そして山本仁志県教育長を生徒たちと訪問し、みなさんに試食をしていただきました。石破大臣は農林水産高校を応援する会の会長としてご尽力いただいていますが、地元鳥取の農業高校生が育てた米が日本一に輝いたことをとても喜んでいただきました。平井知事からは『最近の倉吉農業高校はよく頑張っていますね』と声をかけていただき、さらに山本教育長からは『生徒のみなさんの努力がこのような成果につながった』とお褒めの言葉をいただきました。
残念ながら関わったすべての生徒たちを連れて行くわけになりませんでしたが、実際に行った生徒たちは直接石破大臣や平井知事、山本教育長と話しをすることができました。さらに石破大臣を訪問した生徒たちは、なんと大臣席に座って記念写真を撮りました。このような誰にもできない経験ができることを喜びとして、さらに次の活躍につなげて欲しいと思っています。

校長室から 22

2015年12月7日 09時06分

石川県で開催されたお米甲子園で、本校産のミルキークィーンが日本一の栄誉に輝いたというニュースが、NHKや日本海テレビ、日本海新聞等で報道されて大きな話題となっています。先日の日本海テレビでは、放映された直後には学校に電話があり、「鳥取県民のひとりとしてとても喜び、誇りに思っている。生徒たちにこの声を伝えて欲しい。」といった声をいただきました。お米甲子園の主催者からは、「彼らは山陰の農業にひとつの大きな光をもたらした」、「これを機に全国の若者も農業に大きな夢や目標を持ってもらいたい」といったコメントをいただいています。さらに先日、本校昭和34年卒業の同窓会に招かれて出かけましたが、そこでも多くの同窓生のみなさんから喜びと激励の声をいただきました。
山形県で開催された「日本一おいしい米コンテスト」でも、本校産のコシヒカリとミルキープリンセスが高校生の部で優秀金賞、一般農家を含めた部でもコシヒカリが金賞を受賞するなど、本校の米づくりに脚光が当たっています。校長としてこれほどうれしい話しはありません。
今週には受賞した米を生徒たちと一緒に持参して、石破地方創生担当大臣に食べていただこうと、内閣府まで出かけることになりました。石破大臣は国会議員で組織されている農林水産高校を応援する会の会長としてご尽力をいただいています。本校の日本一の米を食べていただき、ぜひ農業高校生のがんばる姿に応援をいただきたいと思っています。