読書・小論文活動概要

 本校では、平成8年度から平成30年度まで読書小論文活動を実施していました。1・2年生は、夏休みと冬休みに課題図書の読書と小論文の作成を行い、優秀作品は「志在千里」に掲載し、また課題図書の著者を招いての講演会等も行い、読解力や表現力の向上に一定の成果を収めてきました。現在は図書館での図書館ゼミや読書会など、本に親しむための活動を積極的に行っています。 
 平成19年度からは、進んで読書を行い、主体的に学びながら向上しようとする人間の育成を目指して、朝読書の取組みを開始しました。 

著者講演会を実施しました

2014年9月5日 10時37分

 9月3日、1年生の必読図書である『疑似科学入門』(岩波新書)の著者である池内了さん(名古屋大学名誉教授)にお越しいただき、著者講演会を実施しました。

 今回の講演会では「3・11の衝撃-福島原発事故から考えたこと」という演題で、東日本大震災及び福島原発事故による「安全神話」の崩壊から、これからの科学や科学者のありかた、そして未来に向けて我々はどのように「科学的に考える」ことをすればいいのか、ということについての話をしていただきました。また、科学だけでは解決できない問題(トランスサイエンス問題)も多くあり、哲学・倫理・社会学などいろいろな視点から物事をとらえて論じていく必要性についても語られました。

講演の様子


生徒代表謝辞・花束贈呈


 また、講演会後に大会議室に会場を移して実施した座談会では、50名を超える参加者の中から多数の質問が寄せられ、大変有意義な会となりました。今回の講演会の内容からだけではなく『疑似科学入門』をはじめとした著作の内容からの質問など、さまざまな内容の質問がなされ、その中で「あらゆることについてすぐに信じたりすぐに答えを求めたりせず、まずいろいろな意見や見解を集めて“裏にあるものは何か”を考える中で自分なりの筋道や答えを見つけることが大事」「科学に携わる者は、人々の幸福を望み、精神的な生活を豊かにすることができ、自分がしていることについて常に自問自答ができることが必要とされる」など、我々のこれからの学びの姿勢や生き方についても大変考えさせられるお話もありました。


座談会の様子

 池内さんには大変ご多忙にも関わらず今回の講演会に来ていただいたこと、また長時間にわたり貴重なお話をしていただいたことに、倉吉東高の生徒職員一同、多大なる感謝の意を表する次第です。