2014年を振り返って(1)
2014年12月23日 13時17分 2014年もそろそろ暮れようとしています。世間では、いつものように今年の十大ニュース等、今年話題になった出来事を様々な視点で振り返っています。一方、学校は、4月に始まり、3月に終わる1年間をサイクルとして回っており、特に本校のようにほとんどの生徒が大学進学を目指す普通科高校では、1月のセンター試験に向け、冬季休業を利用し、最終チェックに余念がありません。正月をどう迎えるべきかという議論にも発展するかもしれませんが、現状もまた社会情勢に合わせた対応のひとつであると理解していただければ幸いです。(センター試験と言えば、昨日12月22日に「センター試験廃止」の中央教育審議会答申が発表されましたが、これについては別の機会に触れたいと思います。)
さて、本校では、今年度から「土曜日活用・65分授業・アクティブラーニング」に取り組んでいます。それに伴い「45分7限授業・週末課題・週明けテスト」を廃止しました。元々、「週末課題・週明けテスト」については、基礎力定着のための効果的手法として一定の機能を果たしていると評価してきましたが、近年、課題提出率はほぼ100%にもかかわらず、課題テストの成績は低迷するという結果が続いていました。このことに関して、生徒たちは与えられた課題をただ片付けることだけにエネルギーを消費しており、そこには「思考」あるいは「学び」というものが存在していないのではないか、私たちが目指す「主体的な学習者の育成」とは全く逆の方向性ではないか、という疑念が生まれたのです。それをきっかけに、2年前から取り組みを始めていた授業改善「アクティブラーニング活用」と学校教育法施行規則の改正によって取り組みやすくなった「土曜日授業」を一体化し、生徒たちの学びをより主体的なものにするため、「土曜日活用・65分授業・アクティブラーニング」の取り組みへと舵を切ったのです。
家庭学習時間について
本校では、定期的に期間を設定し家庭学習時間の調査を実施しています。それによると、当初、現2,3年生の家庭学習時間は、前年度に比較して、20~30分程度減少していましたが、直近の調査(11月26日~12月2日)によれば、2年生は前年を越え、3年生はほぼ同じという結果になっています。一方、1年生は、前年度比較では、当初60分程度の減少でしたが、直近の調査では、30分程度の減少となっています。家庭学習は時間の多寡ではなく、質であるという意見もありますが、一定の絶対量が学力定着には必要不可欠であると考えており、本校ではその目安を3時間程度としていますので、その点からすると、1年生は目安を20分程度下回っています。これについては、「週末課題・週明けテスト」を廃止するに当たって、これまでのようなやり方を個別教科ごとにやることのないようにとの合意があったため、それが逆に基礎知識定着のために必要不可欠な「ドリル」不足を招いたのではないかと分析しています。こうした反省の下、「学びの主体性を促進する方向性での課題の与え方」、「予習を前提とした授業の実施」を課題として、現在工夫を重ねているところであり、家庭学習時間の回復傾向はその結果だと思います。しかし、「アクティブラーニング」を推進する中で、その前提となる家庭学習のあり方、また、課題の提示の仕方は大変重要なポイントであり、来年度に向けても検討の必要な最重要項目のひとつだと考えています。