⑦「生命」とは何か ~IB-Biologyでの探究~ Biology担当 岩間 周二 Biology担当の岩間です。
「生物とは何か?」 それは「生命をもつ物」 それでは 「生命とは何か?」 「命はいつ、どこから生まれたのだろうか?」 「胚はいつから生命と言えるのか?」 「ES細胞の医学への応用は倫理的にどこまで許されるか?」 「AIが感情をもてば新たな生物といえるのだろうか?」 これらの問に対して、Biologyにおいて、空間軸としては分子レベルのミクロから地球レベルのマクロの視点にわたって、また時間軸としては地球が誕生したと言われる46億年前から現在に至るまでの視点で「生物」とは何かを探究していきます。
ここでクイズです。 Q. ヒト1人のもっているすべてのDNAをつなげていくとどのくらいの長さになるでしょうか。 選択肢1 鳥取県の米子から鳥取までの距離 選択肢2 鹿児島から北海道までの距離 選択肢3 地球一周 選択肢4 地球から月までの距離 選択肢5 選択肢5より長い距離 答えは、選択肢6(地球から太陽までの距離の800倍)となります。このような天文学的な長さのDNAを私たち1人がそれぞれもっていることは神秘的であると同時に、そのようなDNAがどのように私たちの体に納められていてどのようにはたらいているのか、完全に説明することはできません。前回のリレーブログでは、「CAS(創造性・活動・奉仕)」を通して、協働、問題解決、対立解消、創造的思考やクリティカル・シンキングなどのスキルを向上させ、さらに自分のアイデンティティーを確立することが求められるをCAS担当の木村先生が述べられていました。 IB-Biologyでは、生物学をとおして、「生命とは何か」というロマンティックな問に向き合い、生命のアイデンティティを探究していくための準備をしています。 Biology is a discipline that pursues the Identity of living things from the perspective of commonality and diversity. To develop space and time in a spiral. I am looking forward to working with you on a journey to explore Biology.Thank you.
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⑥ 「CAS」って何 ~地域コミュニティの中で成長~ CAS担当 木村敬子
国際バカロレア(IB)のディプロマプログラム(DP)では、DP科目の「言語と文化」、「言語の習得」、「個人と社会」などの他、コア(核)科目であるCASを必修で行います。CASとは「Creativity(創造性)」「Activity(活動)」「Service(奉仕)」のことで、DPの中核です。CASは「IBの使命」や「IBの学習者像」の倫理原則に沿って、生徒が自己認識とアイデンティティを構築することを後押しします。CASは、創造的思考を伴う芸術などの活動に取り組む「Creativity」、健康的なライフスタイルの実践を促す身体的活動としての「Activity」、学習に有益であり、かつ無報酬で自発的な交流活動を行う「Service」の3つの要素で構成されています。これらの3つの要素は活動の中でさまざまに組み合わせることができます。 CASには正式な評価はありませんが、必要要件であるため、CASを行った記録・証拠の自己管理が必要です。また、CASにおいて達成しなければならないこととして、以下の5項目が挙げられます。 ①DP開始から少なくとも18か月にわたって継続する(CASの活動を毎週1回以上継続して行う) ②定期的な活動とアドバイザーとのミーティングを行う(毎月数回行う) ③CASポートフォリオを作成する(記録・証拠を残す) ④CASステージを使用する(調査、準備、行動、振り返り、実証を行う) ⑤CASプロジェクトに取り組む(活動の中で、最低1つはロングプロジェクトを行う)ことが挙げられます。 地域や世界には、自ら問いを立て、解決していくことが求められる場面が数多くあります。CASは授業時間外での活動がメインになり、興味関心や必要な学習、達成したい目標に応じた活動を自ら計画し、実行し、振り返りをしていきます。そのプロセスの中で、多様な文化の理解と尊重の精神を築き、新しい可能性を探り、新しい挑戦を行い、地域や世界のコミュニティの一員として大きな成長を遂げていきます。
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日頃から育友会活動に御理解と御協力を賜り厚くお礼申し上げます。 さて、本年度の育友会定期総会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から書面による決議とし、会員の皆様に書面表決書・委任状を御提出いただきました。 その結果について、御報告いたします。本日、お子様にも配布させていただいております。 なお、貴重な御意見をいただいておりますので、今後運営委員会にて検討し報告をさせていただきたいと考えております。 今後も引き続き育友会活動への御理解と御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 令和3年度育友会総会書面審議報告.doc
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⑤IBにおけるEnglish Bの授業 English B担当 清水隆司 English B担当の清水です。このブログもまだ序盤ですので、IBDP(本校の目指す日本の高校にあたる国際バカロレア教育)の基本的なことから書かせていただきます。 IBDPは6つのグループ(教科)と、既出のTOKを含む「コア」と呼ばれる3つの必修要件から構成されています。6科目のうち3~4科目をHL(上級レベル)、その他をSL(標準レベル)として学習していきます。HLの場合、2年間で約240時間、SLの場合2年間で約150時間の学習をすることになります。本校が目指す日本語DPでは、この6科目中2科目を英語等の外国語で実施することになっていますので、グループ2のEnglish Bに加えてもう1科目をおそらく英語で受講することになります。 さて、いわゆる現在の「英語」にあたるEnglish Bですが、国際バカロレアには日本で言う検定教科書はありません。何を使って学んでもよいのです。というより、あらゆる種類・形式の資料を用いて学習することが求められています。検定教科書はありませんが、Identities、Experiences、Human ingenuity、Social organization、Sharing the planetの5つの扱うテーマが決まっています。例えば仮定法といった文法のルールも、実践場面を通してこのテーマの中で学んでいくことになります。 授業は対話を重視し、多様性を認めながら意見を出し合う中で自然と英語力が磨かれます。英語を学ぶのではなく英語で学ぶ。言いたいことがあるからそれを伝えるための手段としての英語に学習意欲が湧く。そんなふうになればいいなと思いながら日々準備を進めています。
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育友会会員の皆様へ 本日(5月12日)、令和3年度育友会定期総会【書面審議】のご案内を配布させていただきました。「総会資料」及び「学校経営方針資料」につきましては、お子様のグーグルクラスルームに配信しておりますので、資料をお読みの上、お手数ですが令和3年5月17日(月)までに、育友会総会 書面表決書・委任状を提出していただくか、Googleフォームで表決をしていただきたいと思います。 皆様にはお手間をおかけしますことを心よりお詫び申し上げます。 今後とも、育友会活動にご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
鳥取県立倉吉東高等学校育友会 会 長 衣笠 優子 学 校 長 福光 浩
総会資料はお子様のパソコン・スマホからご覧いただけます
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④国語科 IBにおける国語科の授業 甲斐 清 国語担当の甲斐です。 今年度から担当となったため、私自身もIBにおける国語について学習中ですので詳しいことはまだ書けませんが少しだけ。 国際的な基準というIBのイメージから、つい国語は軽視されがちのように思われるかもしれませんが、むしろ論理的な思考力や表現力を養う上では必要不可欠な科目です。 IBにおける国語でユニークな特徴の一つは、教材となる文芸作品を「指定作家リスト」「指定翻訳作品リスト」から教師が選ぶ必要がある点です。日本の教科書でみられるような、比較的長い作品の前半部分を省略し、物語の一部だけを抜き出すのではなく、原則として1冊の本を最初から最後まで読む。同じテーマから異なる作家の作品を比較したり、漫画や映像作品も教材に用いたりすることもできます。一つの単元にかける授業時数も日本の一般的な高校の国語に比べると多いようです。 ただ、まだ学習中の身ではありますが、新学習指導要領で謳われ、本校でも取り組んでいる探究学習を踏まえれば、これが決して特殊例ではなく、むしろ国語科探究学習の一つのスタイルとして捉えられるのではないかとも思っています。IB認定の有無にかかわらず、今後の高校国語教育の方向性を考える上で、目指すべき授業像が示唆されているとも言えそうです。
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③TOK「知っている」とは? TOK担当 宋 志連 皆様、初めまして。TOK(知の理論)の第二担当者の宋(そん)です。 岩野先生の後でなかなか書きづらいですが、私の思うTOKについて短く書きたいと思います。TOKは国際バカロレア教育のディプロマプログラムの中で「コア」と呼ばれる学びの中心付近(学びの中心は学習者ですのでその外側)に位置しています。その位置からもTOKは国際バカロレア教育において非常に重要なものだと理解していただけると思います。 2019年に初めてTOKのワークショップ(研修会)に参加したときに、自己紹介の中で「あなたが知っていることを一つ、ペアの相手に話してください」と言われました。 初めて会う相手に自分が知っていることを一つ伝えること。私たちはよく「知っている」という表現を使いますが、それは一体具体的にはどのような状態を指すのでしょう? 私はこの時、「韓国人は辛い物が好きだ」という、自分でも明らかにおかしいと思う答えを伝え、それがクラスの皆にシェアされたとき、嘲笑されました。このワークショップでの経験は、現在の私を支えるガソリンとなっています。 皆さんはこの問いにどう答えますか?保護者の皆様も現在中学生、小学生の皆様も倉吉東高で一緒に考えてみませんか?
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②TOK「風が吹くと桶屋が儲かる」のは本当か? TOK担当 岩野 竜二
本校IB(国際バカロレア)で、TOK(Theory of knowledge:知の理論)を担当する岩野です。
この科目では、みなさんが知っている知識は、どこからどのように身につけたのか。みなさんが、ただしいとしている知識は本当にただしいのか、といった【知識そのもの】や【知るということ】について学びます。 さて、題名にしている「風が吹くと桶屋が儲かる」について、説明できますか。 風が吹くと…( A )…桶が売れまくるので、桶屋が儲かる。 【風が吹く】というスタートと【桶屋が儲かる】というゴールを結ぶ、( A )について考える手法を『論理的思考』といいます。( A )について、「最もポピュラーなものは何か」と問えば、およそひとつの答えが出せます。これを『正解』とする一方、いろいろとツッコミどころがあっても(最もポピュラーな『正解』ですらツッコミどころがありますが)ひとまず、説明できたら答えが出たとします。これが『最適解』です。最近は、『正解』よりも『最適解』について考えましょうという傾向にあります。 そして、【そもそも、それは本当なのか】、つまり「風が吹くと桶屋が儲かるのは本当か」「本当なら、その根拠となるものは何か」「偽ならば、なぜそのような知識が一般化しているのか」などについて考える手法である『批判的思考』は、『論理的思考』とあわせて、今後さらに重要視される思考スキルであり、TOKを学ぶうえでも、中心となるものです。
TOKでは、知識について様々な分野(技術・言語・政治・宗教・土着の社会)との関連のテーマや、様々な領域(歴史・人間科学・自然科学・芸術・数学)を通して学びます。また、この科目で得た学びをTOK展示やTOKエッセイ(小論文)で表現します。
私自身も生徒ともに学び続けることができそうな科目ですので、楽しんで準備していますし、開講を楽しみにしています。 続いては、このTOKについてのことや、IBそのものについて、さらに掘り下げていただきましょう。 お楽しみに!
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育友会HPのブログに、国際バカロレア教育(IB)に関する記事を、担当される教職員によるリレー形式で掲載していただけることになりました!堅苦しい内容ではないということですので、会員の方にぜひ一読いただけたらと思います! 育友会 育友会IBブログリレーについて.pdf
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